ジャズ・ピアノ上達法

2019年02月11日 04:40

最近ずっと続いていたスケールの話は
そのままミクソ・リディアンにも応用出来る。

ところが他のスケールは注意すること。

6が13として使えなかったり、
逆に4が11として使えたり、
♭2が♭9として使えないスケールもある。

スケールによって
使えるテンションが違ってくるし、
使えない音も変わってくるということだね。

このへんのことは
ジャズ理論書をじっくり読んで研究すること。

いろいろなスケールをコード・トーン、
経過音、テンション、使えない音などを
しっかり理解して、ピアノで音を出して
覚えること。

地道な作業だけれど理論を理解して
練習した方が効率的に進歩すると思う。

何もわからず練習しても上達しないよね。

曲と並行して練習&勉強を楽しんで続けよう。


2019年02月09日 23:58

ジャズ理論書に出て来るスケールを
すべて12キーで弾いて覚えること。

それがアドリブ(即興演奏)の材料になるし、
ジャズ・コードを作る時にも必要だからだ。

この大切な話は最近ずっとしていたよね。

それから2オクターブの往復で弾くことも
話したし、その理由もその時に説明した。

それと<両手で弾くこと>は言ったかな?

これはね、スケール音がわかっていても
運指(指使い)を知らないと弾けない。

理論書に書いてあるDドリアンの例だけを見て
「これでドリアンはわかった」と勘違いして
実際には12キーで弾けない人が沢山いる。

C♯やG♯ドリアンでは音を間違えるし、
音がわかっても運指が悪いと弾けない。

前回も話したように基本的な課題は
何年も掛けてじっくり練習すること。
(曲と並行して)

それが
遠回りのように思えるかもしれないけれど
結果的に<上達の近道>になるんだよね。


2018年12月30日 23:59

最近いろいろと書いたけれど、
その記事が当てはまる人と、
当てはまらない人がいても
当然のことなんだ。

例えばね、
前回「次は分析の段階」と言ったけれど
ジャズ理論を知らなければ、
巨匠のアドリブを分析しようとしても
「何でこうなっているのか?」
まったく理解出来ないよね。

「あ、わかりました。じゃあ先に
ジャズ理論を学べばいいのですね」
と言う人がいても、
「いやいや君は
それ以前の楽典から学びなさい」
と先生が言うかもしれない。

あるいは逆に
「ジャズ理論と
近代のクラシック理論も学びなさい」
と言われる人もいると思う。
(現代のジャズを学びたい人には)

とにかく今、
その人がどの段階にいるのか?

それによって、
その人へのアドバイスが変わってくるのです。


2018年12月29日 23:59

分析は必要ないの?という
前回からの続きです。

クラシック・ピアノ学習者は
分析などしなくても、
楽譜さえ読めれば曲を弾けます。

ピアノのレッスンでも、
分析なんて教わらなかったし、
必要ないと思う人がいても当然かも?

でもね、作曲家は理論を知っていて、
それに基いて作っています。

そうじゃないと、あんな長い曲を
美しくまとめることなど出来ません。

感覚一発で作ったら支離滅裂になります。

それで作曲家がどのように作ったのか、
理論的に分析することは
曲を深く理解することになるのですね。

       ☆

さて、ここからジャズ・ピアノの場合です。

ジャズは楽譜が読めるだけではダメです。

ジャズの曲を楽譜のとおり弾いても、
それは即興ではないので、
ジャズではありません。

フィーリング一発のアドリブをする人もいますが、
それは、ほとんどの場合メチャクチャです。

ジャズは、コードも複雑。
アドリブするにも、
いろいろな材料を学ばなければ弾けません。

つまりジャズ理論の勉強が必要なのです。

そしてね、そこまでやった人、
あるいは今、行き詰まっている人は
次に分析の段階になります。

「上手い人は、どうやっているのか?」

「ジャズ理論をどのように応用しているのか?」

それらを学ぶ段階になるのです。


2018年12月24日 23:59

今回は、
教室のレッスンでも教えていない
究極のソロ・ピアノ構成について話そう。

教室で教えているソロ・ピアノの方法は
いろいろあるけれど、代表的なものは〜

左手ベース・ライン(2ビート、4ビート)
右手はテーマ、アドリブ、さらにコード。

ここまででも、かなり難しいので、
全員にやらせているわけではない。

今回の話は、ここまで出来る人で、
さらに上を目指したい人のために
書いておきます。

イントロ〜
テーマ〜
アドリブ(2コーラス)〜
ベース・ソロ(1コーラス)〜
ベースとの4小節掛け合い〜
テーマ〜
エンディング
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆「ベース・ソロ(1コーラス)」
というのは、
左手でアドリブ。
右手でコード。

☆「ベースとの4小節掛け合い」とは、
<4小節>
左手ベース・ライン(4ビート)
右手はアドリブ、さらにコードも。

<4小節>
左手でアドリブ。
右手でコード。

この4小節ずつを
1コーラス交互に弾いていく。

これはメチャクチャに難しいぞ!
でも、<やりがい>があるかも?

自信がある人は挑戦してみてね。


2018年12月22日 23:58

前回の整理をしよう。

右手でジャズのコード
(テンション含む)を弾き、
左手は、アドリブの材料
(スケール、コード・トーン、他)を弾く。

普通の練習とは逆になるけれど、
右手でも左手でも、
コードやスケールを練習しておくと、
ソロ・ピアノの時、
自由に演奏出来るようになる。

普通は左手でコードを弾く場合が多いので、
左手があまり動かなくなる。

それを防ぐためにも、
左手でもアドリブしてみよう。

ベース・ソロのようになるわけだね。

この練習は左手の訓練であると同時に
頭の訓練でもある。

いろいろな意味で良い訓練だと思うよ。


2018年12月19日 23:59

「ジャズ・ピアノは、
左右の手で別々のことを弾くから難しい」
と言う人が今までに沢山いた。

左手はジャズの複雑なコード、
右手はアドリブ(即興演奏)。

丸暗記ではダメだ。
即興でなくちゃいけない。
しかも左右別々のことを弾くなんて
絶対に無理、ムリ、むり〜〜〜。

まあ、こんな心境なのかな?

これで思い出すのが、
こんな話があるよね。

「ドラムの人って両手両足4本が
バラバラに動いてスゴイですね」

こう思っている人が多くいるよね。

でもね、これは大間違い。

私も趣味でドラムをやるけれど、
両手両足を関連付けて覚えるので、
決してバラバラにやっているわけじゃない。

それと同じで、
ジャズ・ピアノも決してバラバラではない。

左手はコードで、右手はアドリブ。

別々に思えるけれど、
頭の中でコードネームは一致している。

例えば、
今「G7」だからコードはこれで、
アドリブの材料はこれとこれで〜など。

頭の中では一致していて、
決してバラバラではないんだよね。

(続く)


2018年12月17日 23:59

50年以上ジャズ・ピアノを教えていると、
みんながよくやる間違いが見えてくる。

1人や2人ではなく
多くの人たちが間違うことは
共通していて、
いろいろなパターンがある。

前回の話の続きで言えば、
コード進行やコードの押さえ方を
(理論的に)理解して弾いているのではなく
(意味もわからずに)丸暗記で弾いている。

そうすると
応用が利かない、
急な変化に対応出来ない、
というようなことになる。

確かにジャズのコードは難しい。
「G7」は「ソ、シ、レ、ファ」ではなく、
「コード・トーン」と「テンション」
(9、♭9、♯9、13、♭13など)
を組み合わせているので、
ついつい丸暗記になってしまう。

いや少しは理解しているつもりでも
やはり指の形で覚えてしまっている。

「それではダメなんだよ」と、
何回も(いや何十回、数年で何百回)も
注意はしているけれど…。

     ☆

「気長にがんばろう!」


2015年07月03日 23:48

生徒がよくやる間違いの話です。

ジャズ・コードの押さえ方を間違える。

トンでもないコード、他の小節のコード、
他の曲のコードなどを弾いてしまう。

これは前回話した「小節を見失う」とは、
まったく別の話で小節は分かっている。

それでも間違える原因は、
コードを手だけ(丸暗記)で覚えていて、
意味が分かっていない。

ちょっと説明が分かりにくいかもしれない。

こういうことなんだ。

ジャズ・コードは難しい。

「C」といっても「ド、ミ、ソ」ではないし、
「G7」も「ソ、シ、レ、ファ」ではない。

コード・トーンとテンションを組み合わせた
コードなので構成音をしっかり理解して
弾かなければ(覚えなければ)いけない。

ところが意味も分からず弾いていると、
どこか似ている別のコードを弾いてしまう。

例えば、親指が同じ音だけれど、
別の曲でさんざん弾いた他のコードなどを
無意識に弾いてしまう。

この小節のコードネームはこれで、
構成音はこれこれと理解していれば、
絶対に間違う訳がないコードを弾いて、
しかも指摘するまで気が付かないことも。

まだ勉強中だから仕方ない?
ということもあるけれど、
いつまでもこれではダメだね。

少しでも自覚症状のある人は、
ちょっとずつでいいから構成音を理解しよう。

「ね、お願いしますよ」
(テル先生も急に低姿勢になる)

例えば、
このコードは下から「♭7、9、3、13」とか、
「3、♭13、♭7、♯9」だよね、なんて感じで。

「お願いしましたよ、じゃあ、またね!」


プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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