2020年10月10日

「ヒメノ」楽曲分析8

今回は
モード奏法などにも応用出来る
4度和声の話の続きだ。

4度和声には
普通の3和音のように転回形があって、
これを使うと可能性がすごく広がる。

今回は4度和声の転回形の使い方。
その実例を学ぼう。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(8)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

今回は3小節目「Dm7」についてだ。

右手コードは下から
「ド、ファ、ソ、ド(1オクターブ上)」
つまり「ド」をオクターブで弾いて、
その間で「ファ」と「ソ」を全音で弾く。

これは何をやっているかというと、
下の3声「ド、ファ、ソ」が
完全4度の和声「ソ、ド、ファ」の
第1転回形なんだ。
上3声の「ファ、ソ、ド」で考えても
元は完全4度の和声「ソ、ド、ファ」
の第2転回形になるよね。

       ☆

今回の話はモード奏法の時に応用出来る。

今後出て来る「ヒメノ」の特殊なコードを
良い子は真似しちゃダメだ。
(特にセッションの時には)

しかし今回の話は
応用出来れば可能性が広がる。

完全4度の和声は移調すれば12種類ある。
ということは、第1転回形も12種類あり、
さらに第2転回形も12種類ある。
合計36種類になるよね。

これをすべて練習して「ソー・ホワット」
などのモード曲に応用して使ってみよう。

       ☆

さて、この後の小節「G7」では
信じられないことをやっている。
お楽しみに!

(続く)


terusannoyume at 16:29│Comments(0) コード進行の勉強 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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