2020年10月09日

「ヒメノ」楽曲分析7

今回は4度和声の話の続きだ。

4度和声を大きく分けると
(以前話したけれど)3種類あったよね。
その1つは前回出て来た。
そして今回は2つ目が出て来る。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(7)

☆「GIMENO」(ヒメノ)
パスカル・ヒメノ楽曲分析
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

今回は2小節目「A7」についてだ。

右手のコードは下から
「♭レ、ソ、ド」で
ベースは「ラ」だから
コードは「A7」になる。

ただし右手コード「♭レ、ソ、ド」の
「♭レ」はジャズでは「♯ド」と書く。
「A7」の第3音は「♯ド」だからね。

では、なぜ「ヒメノ」は「♭レ」で書いたのか?

それは前の小節(1小節目)右手コードが
「レ、ソ、ド」だったので「レ」の音だけ
半音下げて「♭レ、ソ、ド」にしたんだね。
そして、その「♭レ」が
次の「Dm7」の「ド」に半音下行していく。
(レー♭レードと下がるので「♭」で書いた)

縦の積み重ねよりも横の流れを考えているんだ。
その証拠に同じ小節でもベースでは「♯ド」で
書いているよね。
これは次に「Dm7」の「レ」に上がるからだ。

この考え方が「ヒメノ」の特徴で他にも多数ある。

         ☆

さて今回のコードが3種類の4度和声のもう1つ、
「増4度+完全4度」になっているんだね。
でも、このコードはジャズを学んでいる人には
当たり前のコードだよね。「3、♭7、♯9」。

当たり前ではないコードが
この後いくつか出て来るので
お楽しみに。

(続く)


terusannoyume at 23:59│Comments(0) コード進行の勉強 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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