2020年10月07日 23:58

「ヒメノ」楽曲分析5

今回は「平行和声」についての勉強だ。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(5)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第2集
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」

第1回目から続いている謎のコードの
補足的な意味もある。

35小節目のコードを見てみよう。
この小節のメロディーは「♭ラ」だよね。
その音が次の小節(36)のメロディー
「♭シ」に向かって全音で上がっている。

36小節目のコードは「G7」で
「♭シ」は「♯9」なので
オルタード系の押さえ方をやっている。
(押さえ方は前に書いた)

その「G7」に向かって前の小節(35)から
全声部を全音で上げるために「F7」を使った。

この35小節目はメロディー「♭ラ」なので
「G7」のコードを付けることも出来た。
「♭9」だからね。
でも、それではメロディー音だけ全音上がって
下3声は次の小節と同じになって変化がない。

それよりも全声部が全音上がるコードを
弾く方が刺激的で面白いよね。

これが平行和声の使い方だね。

このような方法はアドリブ・コーラスで
エヴァンスや他のジャズ・ピアニストも
一瞬(1〜2拍)ならよくやっている。

しかし、こんなに長く(1小節)続けても
変に聞こえないのは音の選び方が成功したのかな?

「F7」の上3声が
「G7」オルタード系の音だったので…。

(続く)


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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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