2019年01月02日 01:41

ジャズ・ピアノ拡大解釈

あなたへの
「ビッグ・プレゼント!」として
去年最後の日(2018年12月31日)に
贈りました曲、聴いてくれましたか?
(たった2日前ですが…)

クラシック・ピアノだけを弾く人は、
この演奏を聴いて、
当然(全部)楽譜に書いてあることを
弾いている、と思ったかもしれません。

でも実際は違います。

メロディー(単旋律)と
コード・ネームだけの1段譜を見て
弾いているんです。

ジャズを学んでいる人なら当然ですね。

左手の伴奏が書いてある2段譜で
ジャズの曲をいくら弾いても
即興演奏が出来るようにはなりません。

ジャズは(基本的に)メロディーと
コード・ネームだけの1段譜で
テーマとアドリブを弾いていきます。

ですから同じ楽譜を見ていても
弾く人によってまったく違う演奏になります。

その人が
「どれだけいろいろなことを知っているか?」
によって結果が大きく異なるのです。

例えば、左手コードだけの話でも
「G7」というコード・ネームを見て
「ソ、シ、レ、ファ」しか知らない人と
「ファ、ラ、シ、ミ」
(♭7、9、3、13)
または
「ファ、♭ラ、シ、♭ミ」
(♭7、♭9、3、♭13)など、
その他、沢山のコードを知っている人、
この両者が弾いた場合、曲全体の雰囲気が
まるで別の曲に聞こえてきます。

さらに言うと、
いろいろ知っている人なら、
「この曲はあえてシンプルに弾こう」
「隠し味で9thぐらいにしておこう」
「かなり複雑に弾こうかな」などと、
その時々によってコントロール出来ます。

これが私の考えるジャズ・ピアノです。

ジャズの曲はもちろん弾きますが、
それだけでなく
どんなジャンルの曲でも区別なく、
自分なりのスタイルで
即興も加えて
好きなように(自由自在に)弾く。

これを読んでから
あの「ビッグ・プレゼント!」を
聴く(または聴き直す)と、
私の言っていることが、
よくわかるかもしれません。

「この曲はジャズではないし、
演奏もジャズには聞こえない」と
ジャズ好きの人は言うかもしれません。

でもね、私が付けたコード進行を
よ〜く聴いてみて下さい。

もし、これを4ビートで
スウィングして弾いたら…?

でもね、今回はそうしなかった。

なぜなら、この演奏は
西城秀樹さん、
さくらももこさん
に捧げる追悼演奏なので、
弾く本人は、
このスタイルを選択したのです。

ですから
ジャズ・ピアノには聞こえなくても
姿勢(精神)は
ジャズ・ピアノの応用編なのです。

☆「走れ正直者」
(ちびまる子ちゃんエンディングテーマ)

(続く)


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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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