2016年05月06日

エヴァンス・フレーズ(3)

前回(5月5日)の記事で、
ビル・エヴァンスのコピー譜について
修正するべきところの問題を出したね。

今回は、その時に言わなかったことを、
つまり、続きを書くことにする。

以下(前回)の小節を見てほしい。

20ページ、1番下の段、最後の小節、
コード「A7」の小節だ。

このフレーズのスケール名は、
分かっただろうか?

今回は、それが分かっていないと、
話がまったく分からないと思う。

さて、話を進めよう。

このコード・ネームを詳しく見ると
「A7(♭9、♭13)」と書いてある。

左手コードを確認してほしい。

ジャズでは、同じコード「A7」でも
押え方はいろいろあるよね。

ここでは
「ソ、♭シ、♯ ド、ファ」=
「♭7、♭9、3、♭13」で
コード・ネームと一致するね。

ところが右手フレーズのスケールと
コード・ネームが一致するだろうか?

このスケールの特徴を
知っているだろうか?

テンションは?

一致しない音が
1つあることに気が付いたかな?

左手コードと右手スケールの不一致。

では、このコピー譜が間違っている?

またはエヴァンスが間違えた????

いや、自分で確認した訳ではないけれど
多分、これで合っていると思う。
(各自CDを聴いて確認してね)

さて、ここで質問だ。

もし右手フレーズ(スケール)が
合っているなら、左手コードは
どうなっていないといけないか?

または逆に左手コードが合っているなら
右手のフレーズはどこを修正すればいい?

以上の問題はジャズ理論を学んだ人なら
すぐ分かると思う。

しかしね、ここは多分このままでいい。

なぜか?

右手フレーズの問題の音が
アプローチ・ノート的な使い方に
聞こえるので問題ないんだね。

でも使い方を間違うとダメなんだ。


terusannoyume at 23:59│Comments(0)TrackBack(0) 「ビル・エヴァンス」研究 | 効果的なアドリブ上達法

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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