2015年01月26日 23:54

ブルクミュラー分析(9)

「ブルクミュラー25の練習曲」から
「バラード」(Ballade)分析、第9回目。

今回は
以前(第5回目に)出しておいた宿題の
回答編ですので、宿題をやっていない人は、
この後は読まないで下さい。

答えを先に知ってしまうと、
何も勉強になりませんからね。

第1〜8回目からじっくり読んで、
今回の回答編を勉強して下さいね。

       ☆

さて、第5回の最後に出した宿題ですが、
以下の問題でしたね。

41〜42は
「Dm」で同じコードネームですが、
41は「レ、ファ、ラ」
42は「ファ、ラ、レ」です。

「なぜ変えたのでしょう?」

「どちらかの押さえ方を
続けてもいいんじゃないの?」と
思う人がいるかもしれませんが、
このように変えた理由が2つあります。

「その2つの理由は…?」

以上が以前出しておいた宿題でしたね。

では、ここから解答です。

      ☆

まず分析をする時の前準備として、
メロディーの装飾的な音を取り、
骨組み(コードトーン)を調べておきます。

41は、メロディーの「ソ」を取ると、
「ファ」が「Dm」の「♭3」ですね。

42は、メロディーの「ミ」を取ると、
「レ」が「Dm」のルート(1度)です。

☆宿題の解答(その1)

42小節目、
メロディーが「D音=レ」なので
コードが基本形ではベースとメロディーが
同じ音(レ)になってしまう。

それを避けるために第1転回形
(ベース音がファ)にしたのです。

これは「和声学」や「対位法」の基本で、
クラシックは徹底的にこのようにします。

☆宿題の解答(その2)

41〜43の右手メロディーの骨組みは
|ファ|レ|ド|と下行していますから、
ベースは|レ|ファ|ソ|と上行させます。

「反行」させるのです。

ですから「レ」から「ファ」は、
6度下に行ってはダメで、
必ず3度上の「ファ」に行かなくては
「反行」になりません。

以上が解答(2つの理由)です。

      ☆

次回からは、
この曲の「まさかのジャズ化!」です。

この曲がもう少し近代的に、
そしてジャズ的に生まれ変わります。

第1回から第9回目までをしっかり読んで、
予習&復習をしておいて下さいね。

では、次回をお楽しみに!


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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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