2015年01月25日 23:57

ブルクミュラー分析(8)

「ブルクミュラー25の練習曲」から
「バラード」(Ballade)分析、第8回目。

前回まで
形式とコード進行を中心に分析しましたが、
この曲はリズムの面から見ても
大変良く出来ていて、感心してしまいます。

「本当に良く出来ている曲だなあ」と、
あなたもきっと納得すると思います。

第1〜7回目を読んでいない人は、
第1回目から読んで下さいね。

      ☆

この曲は8分の3拍子ですから
1小節に8分音符が3つですね。

3つとも弾く場合は「タ、タ、タ」。

これは「イントロ」(1〜2)と
「A」右手コード(3〜10)にありますね。

8分休符を1つ入れる場合は、
以下の3種類がありますよね。

1拍目に入れる「ン、タ、タ」
2拍目に入れる「タ、ン、タ」
3拍目に入れる「タ、タ、ン」

「A」の左手(5〜6)に「タ、ン、タ」。

移行部(19〜23)に「タ、タ、ン」。

「B」の左手(31〜44)に「ン、タ、タ」。

「A」にはない素材が「移行部」や「B」に
「A」にも「移行部」にもない素材が「B」に
バランスよく3種類のリズムを配置しています。

さらに細かく見ていくと、
1番細かい音符は8分音符を半分にして
1小節に6つ音符を入れた「A」左手モチーフ。
(3〜4、11〜12など)
コーダ(87〜90)にもありますね。

逆に1番長い音符は8分音符5つ続けたもので
これも「A」の左手にありますね。(7〜10)
この曲の1番カッコいいところです。

この5つ分続ける音符は、「A」以外には
コーダ(最後のコード)しかありません。

4分音符と8分休符の組み合わせは、
「B」に行く移行部の最後4小節。
(27〜30)

4分音符と8分音符の組み合わせは
「B」後半の右手メロディーに。
(38、40〜42、44など)
「A」に戻る移行部の右手。
(47〜48、51〜52)

付点4分音符は、
「B」前半の右手メロディー。
(31〜37)
「A」に戻る移行部(53〜56)

以上を参考にして楽譜をじっくり見て、
あなたも研究して下さい。

「A」と対称的な素材で「B」を作る。
これは作曲技法の基本ですけれど、
この曲をリズムの面から分析しても
実によく考えて配置されていますよね。

       ☆

さて、今後の予定ですが、
以前出しておいた宿題を答えてから、
その後「まさか!」の企画をやります。

誰も予想しなかった、この曲のジャズ化!

クラシック・ピアノの先生に怒られそうな
トンでもない企画です。

ご期待下さい!(あまり期待しないでね)

(つづく)


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コメント一覧

1. Posted by かっちゃん   2015年01月26日 01:23
5 「えーっ!?」

どのようになるんだろう!?

今からワクワク、ドキドキ、楽しみにしてます。

テル先生、本当に楽しい勉強ありがとうございます
2. Posted by テルさん   2015年01月26日 07:34
ほんの少し変えるだけですから、あまり期待しないで期待して下さい。
原曲よりも少し近代的に、またはジャズ的になります。
お楽しみに!

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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