2011年02月01日 23:34

ブルースの複雑化(2)

リアルブック研究「B」(4)

「THE REAL BOOK」 VOL.1
(6th edition)

「B」で始まる曲名
(「ザ・リアルブック」第1巻40〜64ページ)の中から
<ブルースを見付ける課題>を続けましょう。

前回までに7曲の内、4曲を取り上げたので、
残りは3曲になりました。
(60ページの曲は別にして下さい。
曲名に「〜Blues」と書いてありますが、
コード進行を見るとブルースとは思えませんので)

今回は<ブルースの複雑化>の続きです。

55ページを開いて下さい。
チャーリー・パーカーの有名なブルースです。

コード進行が複雑化していますよね。

解説しましょう。

<1小節目>
普通のブルースなら
トニックを「F7」にする場合が多いのですが
ここは「FM7」です。
メロディーに「ミ」がありますから。

楽譜は「F6」になっていますが、
このままでもいいです。

<2〜4小節目>
5小節目の「B♭7」に向かって
2拍ずつキレイに4度進行していますね。

ここが、このブルースの特長です。
スタンダード曲でも使うコード進行ですので
1〜5小節までを覚えておいて下さい。

<5小節目>
この小節に「B♭7」(サブドミナント)が来る。
これがブルースの条件ですね。

<6〜8小節目>
2拍ずつの「ツー・ファイブ」が半音連続で
下降して来ていますね。

64ページの曲では7〜8小節目でしたが
この曲では6小節目から始まっています。
さらに複雑化していますよね。

<9〜10小節目>
ここは普通の「ツー・ファイブ」です。

<11小節目>
普通なら「FM7」(トニック)
または「F7」に帰って来る所が
「Am7」(トニック代理)になっています。

そして「Am7」なら
次は「D7」だと思うのですが、
ここでは「Dm7」になっていますね。

「なぜ?」

メロディーに「ソ」があるから
「D7」には出来ない。
それで「Dm7」なのです。

アドリブ・コーラスになったら
「D7」にしてもいいと思いますよ。

<12小節目>
ここは普通に「ツー・ファイブ」です。

THE REAL BOOK - VOLUME 1 Sixth Edition For All C Instruments

さて、残り2曲ですね。

予習のためにヒントを与えておきましょう。

45ページ、56ページの2曲を分析して下さい。

どちらの曲も、かなり変型していますが…。

      (続く)

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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