2009年02月12日 07:36

勘違い!拍子の感じ方

あなたは4拍子の曲を弾く時に
<4拍子>を感じていますか?

「そんなの当り前じゃない」と、
あなたは思うかもしれません。

ところが、ほとんどの人は
<4拍子>を感じていない。

いや「感じているつもり」になっている。

多分、あなたも当てはまるのでは…?

ぜひ、自分で確認して下さい。

「どういうことなのか?」説明しましょう。

<4分の4拍子>と<2分の2拍子>の
違いがわかりますか?

<4分の4拍子>は、
1小節に4分音符を4つ感じる。

<2分の2拍子>は、
1小節に2分音符を2つ感じる。
(ほとんどの人は、こちらです)

       ☆

<その証拠 1>

歌手のコンサートで観客が右手を高く上げ、
曲に合わせて左右に腕を動かす光景を
思い浮かべて下さい。

|1〜、2〜|1〜、2〜|と感じています。
つまり
|右〜、左〜|右〜、左〜|ですよね。

もし4拍子で腕を動かすなら
|1,2,3,4|1,2,3,4|と感じて、

|右、左、右、左|右、左、右、左|のように
 みんなより<2倍の往復>をすることになり、

あなた1人だけ<目立って>しまいます。

そして周りから<白い目>で見られます。

1曲終る頃には、
あなただけへとへとに疲れているでしょう!

「そ、そ、<それ>なんですよ!」

つまり、
2分音符で大きく感じた方が「楽」なんです。

       ☆

<その証拠 2>

お酒の席(宴会)を思い出して下さい。
酔いが回り誰か(おじさま)が歌を歌います。

その時に、みんなで手拍子を取りますよね。

|♪つきが〜|でたでた〜|
|1〜、2〜|1〜、2〜|という感じですね。

4拍子の曲でも|1,2,3,4|の
1拍目、3拍目に手を合わせて、
2分の2拍子で大きくリズムに乗っている。

あなた1人だけ|1,2,3,4|と張り切って
みんなの2倍も手を叩いたら、

「お前、もう酔っ払ってるの?」と、
 周りの酔っ払い全員に思われます。

あなたは、1曲終る頃にはクタクタに疲れて、
本当に酔いが回ってぶっ倒れてしまうでしょう。

「そ、そ、<それ>なんです!」

つまり、
2分音符で大きく感じた方が「楽」なんですよ。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以上の大変に学術的な理由?により、
私たちは<2分の2拍子>を
無意識に感じて生きて来ました。

ほとんどの人は
「なるべく{楽}に生きたい」
と無意識に選択してしまうのですね。

そして、それが習慣になっているので、
気付かずに行動してしまいます。

つまり、ピアノを弾く時に、2分音符を
1拍のつもりで(無意識に)感じているのです。

さて、あなたも確認してみて下さい。

ジャズの4ビートの曲を弾いている時に、
あなたは1小節に4回、足を踏んでいますか?

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by りん   2009年02月12日 15:39
いつも、ためになり、かつ面白いお話ありがとうございます。
 ところで、4ビートで1小節に4回足踏みするのはいいのですか?
 私は、その方が拍子の裏に音を入れる時など乗りやすい気になるので、拍子毎に足踏みしていたら、ピアノの先生から「もっと大きくリズム取るように、2、4拍で足踏みしましょう。」と言われました。
 プロも1拍子毎に、足踏みしているのになあと、思ったりします。
 多分、私の場合、ジャズの乗りになっていないので、そういうアドバイスを受けたのだと思いますが。
2. Posted by テルさん   2009年02月13日 00:14
りんさんへ。

> 4ビートで1小節に4回足踏みするのはいいのですか?

☆アドバイスは、時と場合によって違いますね。
先生によって、あるいは生徒の状態によって、
曲のテンポなどによっても違います。

今回の話は、
無意識に2拍子で弾いている人へのアドバイスです。

> 〜先生から「もっと大きく、2、4拍で足踏み〜」

☆それでもいいですね。
「2,4拍で〜」ということは、
1,3拍を意識しないと踏めませんよね。

逆に1,3拍目しか踏まないと、
2,4を意識しないので2拍子になります。

> 「プロも1拍子毎に足踏みしているのになあ」と〜

☆そうですね。
ピーターソンや、他の一流の演奏家の映像を観ると
1拍ずつガンガン踏んでいますよね。

> 私の場合、ジャズの乗りになっていないので、そういうアドバイスを受けた〜

☆最初に書いたように
 ケース・バイ・ケースでしょうね。

私も生徒によって(または成長段階によって)
全く逆のことを言う時もあります。

生徒のレベルに応じて弱い面を指摘して、
それをどうやって強化して行くかで指導方針が決ります。

        ☆

今回の話は、まだ続きがありますので、
定期的にブログの本文を読んで下さい。
3. Posted by りん   2009年02月14日 12:46
ご丁寧にお返事ありがとうございました。よくわかりました。
 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
Archives
カプースチン・ピアノ曲集