2009年01月19日 00:04

「曲集」取り扱い説明書(2)

ジャム・セッションで必ず使う定番の曲集、

「スタンダード・ジャズ・ハンドブック」

<取り扱い注意>の大切な話の続きです。

これが定番の曲集。↓(薦めている訳ではないよ)

「セッションの時に、みんなが持っているでしょう?」

 と言っているだけですよ。

薦めているのは<ガイドブック>の方です。

いや、薦めなくても<この曲集>を使っている人には
どうしても必要になってくる本だからです。

その理由は以下を読むとわかります。





昨日に続いて、今回の話も非常に重要です。

私の教室では、この曲集を使っていません。

「なぜ?」

必要ないからです。

私が教える時は、原曲のメロディーに
正しいコード進行を付けた楽譜を渡します。

しかし、セッションに参加している生徒が
この曲集を持って来ることがあります。

セッションの時、みんなが使っているので
自分も持っていないと困りますからね。

そこで、この曲集を持って来た生徒には、
「メロディーは必ず原曲を見て直すように」
と注意します。

具体的な対策は、
原曲の楽譜を渡すか、原曲の曲集を教えます。

「この曲集のメロディーは覚えないように」
 と、毎回厳重に注意します。

そして、次の段階は、コード進行を直します。

そのままでもいい曲があるかもしれませんが、
ほとんど場合、直した方がいいと思いますよ。

この作業は、生徒では無理なので私がやります。

あなたも自分では直せないと思うので、
必ずあなたの先生に直してもらって下さい。

ジャズ理論を少し勉強した人は「自分でも直せる」
と思うかもしれませんが、先生の方がもっといい
コード進行を知っていると思います。
(同じ曲でもいろいろなコードが付けられます)

どこの教室の教材でも、すでにコードを付け変えている
と思いますが、その教室や先生によってどうなのかな?

そこまでは、私にはわかりませんけれど…。

でも、以上のようにして使えば問題ありません。

つまり、メロディーとコード進行を確認することです。

あ、コード進行を直すのは、この曲集に限らず、
原曲の楽譜でも必ず(どんな曲でも)直します。

ここまでがジャズ学習の下準備になります。

普通(私の場合も)生徒に楽譜を渡す前の段階で
この下準備は終っています。

なぜなら、ここからレッスンが始まるからです。

テンションが入った左手(両手)コードの押さえ方、
アドリブで使うスケール、いろいろなアドリブ方法…。

      ☆       ☆

以上の話は、書くつもりはなかったのですが、

「なぜ、あのガイドブックが出て来たのか?」

「なぜ、あのガイドブックが必要なのか?」

その背景を知ってほしいと思って書きました。

何も知らないで曲集を使っている人達のために、

「どこをどう直せばいいのか?」

そのヒントが(すべてではないですが)書いてあります。

ですから<ガイドブック>は
定番曲集の使用者へ<取り扱い注意説明書>として、
4人の著者が(苦労して?)書いてくれたものなのです。

私が薦めなくても、定番曲集を使っている人には
「これは必要な本なんだ」と理解出来たと思います。

あとは、あなたの好きなようにして下さい。

先生に教わっている人は必要ないかもしれませんが、
自分の好きな時間に予習復習が1人で出来るので、
持っていた方がいいんじゃないかな?

これが「スタンダード・ジャズ・ガイドブック」↓






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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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