2008年05月25日 23:58
不自然な編集は失礼だ
〜NHKジャズピアノ講座(7−6)〜
第7回目(5月14日)「枯葉」放送について。
「今日からあなたもジャズピアニスト」
NHK趣味悠々 テキスト ¥1、260
番組最後のヒロコ先生トリオの演奏。
途中がカットされていることに
あなたは気付いていますか?
もう1度、録画をよく見て下さい。
テーマ <1コーラス>(32小節)
アドリブ <1コーラス>(32小節)
ここまでは、正常な演奏。
問題は、ここから。
アドリブの2コーラス目、8小節で突然テーマに!
画面が変わり、急に空気感も変わります。
不自然な気の流れ。
段々と盛り上げて行く予感が突如断たれて、
強引に最後のテーマにつなげています。
☆
もっと気の毒なのは、この日だけ出演した土屋賢二氏。
土屋さんは、お茶の水女子大学教授(哲学)で、
40歳からジャズピアノを始め、
現在63歳でライヴ活動までしている方。
私は、この放送で初めて土屋さんのことを知り、
演奏を聴きました。
その第一印象は、
「いいフレーズを弾くけれど、 アドリブが、
どこを弾いているのかわからない」
(実は、この印象は私の「勘違い」でした)
いくつかの場面をつなげた不自然な編集に、
最初は気付かなかったからです。
ここが、問題ですよね。
もし録画を見直していなかったら、
いまだに第一印象を信じたままです。
何も知らない人達は「良かった」と言うでしょう。
しかし、本人は、すごくショックだったと思います。
何の関係もない私でさえ、
「ひどい編集だな」と、心が痛みました。
あなたも、もう1度、録画を観て下さい。
最初のテーマ、前半16小節目までは正常。
この後、画面が突然変わり、途中部分が…。
さらに、その後も…。
なぜ、こんな編集をしたのでしょう?
特別な事情があったのでしょうか?
または、テレビでは当り前?常識?
演奏家の繊細な心を傷つけても平気?
まさか、そんなことはないはずです。
制作者側も優しい心を持っていて、
視聴者の励みになると思い
出演を依頼したのでしょう。
確かに全国で励みになった人も多いと思います。
その意味では成功です。感謝します。
しかし、本人の演奏をこま切れにするのは別の話。
不完全なものを放送するのは、
視聴者や、土屋さんに対して失礼では…?
この番組は、音楽番組では?
正しく音楽を教える講座では?
アドリブの途中からテーマとか、
テーマ途中から突然アドリブとか、
そんなデタラメな音楽形式を
全国の視聴者に伝えていいのでしょうか?
制作者側は「番組は25分しかない」
と言うかもしれません。
確かに、それは理解出来ます。それなら、
放送を2回に分けてもよかったのでは…。
例えば、7回目「枯葉」前編、8回目「枯葉」後編。
前編で土屋さんの演奏、翌週の後編でヒロコ先生トリオ。
全国の番組ファンや学習者などは、
トリオの演奏を楽しみにしていて、
正常な状態の演奏を聴きたいはずです。
さらに、土屋さんは、学習者の勉強になるモード奏法。
正常な演奏が聴きたかったし、
みんなにも聴いてほしかった。
今回は、時間配分を間違ったのでは?
最後の演奏で時間調整をしているような構成でしたね。
番組自体が試行錯誤のところもあって
仕方がないのかもしれませんが…。
ですから制作者側を非難している訳ではありません。
このような番組を作ってくれたことに感謝します。
今後、この経験を活かして続編があるといいですね。
土屋さんは、お気の毒なこともあったでしょうが、
ものすごく多くの方の励みになったと思います。
貴重なフレーズ帳、楽しいお話、斬新なピアノ奏法。
そして、その演奏をグランドピアノの横から
優しい眼差しで見つめるヒロコ先生の笑顔。
私は、あのシーンが大好きです。
本当に、ありがとうございました。
第7回目(5月14日)「枯葉」放送について。
「今日からあなたもジャズピアニスト」
NHK趣味悠々 テキスト ¥1、260
番組最後のヒロコ先生トリオの演奏。
途中がカットされていることに
あなたは気付いていますか?
もう1度、録画をよく見て下さい。
テーマ <1コーラス>(32小節)
アドリブ <1コーラス>(32小節)
ここまでは、正常な演奏。
問題は、ここから。
アドリブの2コーラス目、8小節で突然テーマに!
画面が変わり、急に空気感も変わります。
不自然な気の流れ。
段々と盛り上げて行く予感が突如断たれて、
強引に最後のテーマにつなげています。
☆
もっと気の毒なのは、この日だけ出演した土屋賢二氏。
土屋さんは、お茶の水女子大学教授(哲学)で、
40歳からジャズピアノを始め、
現在63歳でライヴ活動までしている方。
私は、この放送で初めて土屋さんのことを知り、
演奏を聴きました。
その第一印象は、
「いいフレーズを弾くけれど、 アドリブが、
どこを弾いているのかわからない」
(実は、この印象は私の「勘違い」でした)
いくつかの場面をつなげた不自然な編集に、
最初は気付かなかったからです。
ここが、問題ですよね。
もし録画を見直していなかったら、
いまだに第一印象を信じたままです。
何も知らない人達は「良かった」と言うでしょう。
しかし、本人は、すごくショックだったと思います。
何の関係もない私でさえ、
「ひどい編集だな」と、心が痛みました。
あなたも、もう1度、録画を観て下さい。
最初のテーマ、前半16小節目までは正常。
この後、画面が突然変わり、途中部分が…。
さらに、その後も…。
なぜ、こんな編集をしたのでしょう?
特別な事情があったのでしょうか?
または、テレビでは当り前?常識?
演奏家の繊細な心を傷つけても平気?
まさか、そんなことはないはずです。
制作者側も優しい心を持っていて、
視聴者の励みになると思い
出演を依頼したのでしょう。
確かに全国で励みになった人も多いと思います。
その意味では成功です。感謝します。
しかし、本人の演奏をこま切れにするのは別の話。
不完全なものを放送するのは、
視聴者や、土屋さんに対して失礼では…?
この番組は、音楽番組では?
正しく音楽を教える講座では?
アドリブの途中からテーマとか、
テーマ途中から突然アドリブとか、
そんなデタラメな音楽形式を
全国の視聴者に伝えていいのでしょうか?
制作者側は「番組は25分しかない」
と言うかもしれません。
確かに、それは理解出来ます。それなら、
放送を2回に分けてもよかったのでは…。
例えば、7回目「枯葉」前編、8回目「枯葉」後編。
前編で土屋さんの演奏、翌週の後編でヒロコ先生トリオ。
全国の番組ファンや学習者などは、
トリオの演奏を楽しみにしていて、
正常な状態の演奏を聴きたいはずです。
さらに、土屋さんは、学習者の勉強になるモード奏法。
正常な演奏が聴きたかったし、
みんなにも聴いてほしかった。
今回は、時間配分を間違ったのでは?
最後の演奏で時間調整をしているような構成でしたね。
番組自体が試行錯誤のところもあって
仕方がないのかもしれませんが…。
ですから制作者側を非難している訳ではありません。
このような番組を作ってくれたことに感謝します。
今後、この経験を活かして続編があるといいですね。
土屋さんは、お気の毒なこともあったでしょうが、
ものすごく多くの方の励みになったと思います。
貴重なフレーズ帳、楽しいお話、斬新なピアノ奏法。
そして、その演奏をグランドピアノの横から
優しい眼差しで見つめるヒロコ先生の笑顔。
私は、あのシーンが大好きです。
本当に、ありがとうございました。
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コメント一覧
1. Posted by さちぴょん 2008年05月26日 01:30

やっぱりそうだったんですか…カットされてたんですね。
それまでの放送の演奏は、短いサイズながらきちんとまとまって完結していたので、枯葉の時は自分の感覚がおかしいのかと思ってしまいました。「アレッ?なんだか足りないような…?」
土屋さんの時も同感です。う〜ん、ここは端折ってほしくなかったです(-"-)
2. Posted by さちぴょん 2008年05月26日 01:33
それから、ヒロコ先生の講座、本日行ってまいりました!
オープニングに「サマータイム〜クレオパトラの夢〜A列車で行こう メドレー」をソロ演奏してくれて、いろんな味付けがされたカッコいいサウンドにしびれました。
ほとんどが「番組を見て来た」という受講生でしたが、特にテキストに沿ってという形ではなく、CD紹介から「とにかく人の演奏を聴く」ことを力説され、耳コピを推奨されてました。
オープニングに「サマータイム〜クレオパトラの夢〜A列車で行こう メドレー」をソロ演奏してくれて、いろんな味付けがされたカッコいいサウンドにしびれました。
ほとんどが「番組を見て来た」という受講生でしたが、特にテキストに沿ってという形ではなく、CD紹介から「とにかく人の演奏を聴く」ことを力説され、耳コピを推奨されてました。
3. Posted by さちぴょん 2008年05月26日 01:34
入門編ということだったので、コードをよく知らないような人も来ていましたが、テキストにもあった「ドードードーーー」にどんな和音をつけるかという課題に、既にレッスンを受けて勉強していると思しき人が2人チャレンジされて、素敵な和音をひねり出そうとする姿に刺激を受けて帰ってきました。ヒロコ先生もカッコいいのを4つくらいサラサラと弾いてくれて「さすが!」と思ったら、「あと30分で50コくらいは出てくるかな?」と仰ってビックリしました。「じゃあテル先生ならもっと?」なんて思いました(#^.^#)
4. Posted by さちぴょん 2008年05月26日 01:38
本当に何パターンくらい作れるのか私には見当もつかないですが、そういう勉強をこれからしたいと思っています!
いろいろお話を聞いていて、ヒロコ先生は、本当にテル先生が仰るとおり「感覚の人」「右脳の人」だなー、と実感しました(^.^)
音を追求するパワーをいただいて、夢がふくらむ楽しい講座でした♪
いろいろお話を聞いていて、ヒロコ先生は、本当にテル先生が仰るとおり「感覚の人」「右脳の人」だなー、と実感しました(^.^)
音を追求するパワーをいただいて、夢がふくらむ楽しい講座でした♪
5. Posted by テルさん 2008年05月26日 03:15
楽しい講座だったようですね。ヒロコ先生を目の前で見て、演奏も聴けて、さらに講座と、パワーまでいただいて来て素晴らしい時間でしたね。
ヒロコ先生は見掛けも美しいからみんなが憧れるし、譜面だけだった人達にジャズや他の自由な音楽を広めてくれる貴重な存在。だから私も期待して応援しています。素敵な1日でしたね。
ヒロコ先生は見掛けも美しいからみんなが憧れるし、譜面だけだった人達にジャズや他の自由な音楽を広めてくれる貴重な存在。だから私も期待して応援しています。素敵な1日でしたね。
6. Posted by へなちょこぴあにすと 2008年05月26日 11:49

「今日からあなたも・・・」は、毎回、欠かさず録画して、テル先生の記事を読みながら、何度も観直しています。
そこで、件の部分。確かに、トリオの演奏は、私も何度聴き直してもおかしくて、もの凄く疑問になってました。土屋さんの方も、始めに弾いているところは気持ちがいいのに、その後が仰る通り良く分からなくて、でも、これは、あの方の弾き方なんだろうと疑いもしませんでした。このままだったら、誤解したままだったんですね。。助かりました。スッキリしました。ありがとうございます!
これからも、ご指導よろしくお願いします。
7. Posted by jun 2008年05月26日 16:42
特別「お気の毒」とは、思わない。
インプロビゼーション=ジャズ=音楽とは、限らないからね。土屋氏のジャズって、理屈先行の頭でっかちのジャズですね。もっと楽しまないと。楽しみが伝わってこないとね。そんな感じ。
インプロビゼーション=ジャズ=音楽とは、限らないからね。土屋氏のジャズって、理屈先行の頭でっかちのジャズですね。もっと楽しまないと。楽しみが伝わってこないとね。そんな感じ。
8. Posted by テルさん 2008年05月28日 10:08
2人共コメントどうもありがとう。
ここのところ忙しくて返事が遅れて申し訳ありませんでした。京都の教室に行っていました。
さて、いよいよ今夜で番組が終りますね。番組開始時間の少し前までレッスンをしていますが、今日もしっかり観る予定です。
また感想があったら聞かせて下さい。
ここのところ忙しくて返事が遅れて申し訳ありませんでした。京都の教室に行っていました。
さて、いよいよ今夜で番組が終りますね。番組開始時間の少し前までレッスンをしていますが、今日もしっかり観る予定です。
また感想があったら聞かせて下さい。