2007年03月24日 05:36

変則的ブルースを弾こうぜ!

今回は「変則的ブルース」の勉強です。
小節数は基本的なブルースと同じ12小節なのですが、
コード進行が変則的です。

カプースチン「24のプレリュード 作品53」(全音版)
15曲目(68ページ)を見て下さい。
この曲のコード進行は、次のようになっています。
(キーは、「D♭」です)。

||  D♭7  |  D♭7  |  D♭7  |  D♭7  |

|  Em7  |  Em7  |  D♭7  |  D♭7  |

| G♭7 / C♭7 | E7 / A7  | Dm7 | Dm7 ||

*「C♭7」 は 「B7」 のことです。
D♭のキーでは、正確に書くと 「C♭7」 になります。
分かりにくい人は、「B7] と書いてもいいです。

上記のコード進行、
3段目の1〜2小節目(全体の9〜10小節目)は
何か違和感があるかもしれません。
キー D♭で正確に書くと仕方ないのです。

キーCで見ると分かりやすいですよ。
F7 から上に4度進行していますよね。

||   C7   |   C7   |   C7   |   C7   |

|  E♭m7  |  E♭m7  |   C7   |   C7   |

|  F7 / B♭7  |  E♭7 / A♭7  |  D♭m7 | D♭m7 ||


では、始めましょう。

          ☆

<全体の構成>
まず、全体の構成を理解しましょう。

♪テーマ
<1コーラス>1〜12
<2コーラス>13〜24
♪アドリブ・コーラス
<3コーラス>25〜36
<4コーラス>37〜48
<5コーラス>49〜60
♪ラスト・テーマ
<6コーラス>61〜72
♪コーダ 73〜80

1小節目の上に (1)テーマ と書き込んで下さい。

以下、指定小節上に
次のように書き込みましょう。
13小節目、(2)テーマ
25小節目、(3)アドリブ・コーラス 1
37小節目、(4)アドリブ・コーラス 2
49小節目、(5)アドリブ・コーラス 3
61小節目、(6)ラスト・テーマ
73小節目、 コーダ

ジャズ風に「アドリブ・コーラス」と書きましたが、
「変奏1,2,3」とクラシック的に書いてもいいです。

次に、コード進行を書き込みます。
ブルースは、12小節を繰り返します。
同じコードが続く時は最初の小節だけ書いて
後は省略しますので簡単です。
早速、やってみましょう。

♪テーマ
<1コーラス目> 1〜12

1小節目と7小節目に「D♭7」、
5小節目に「Em7」
11小節目「Dm7」

簡単ですよね。
以下のコーラスも同じように書いて下さい。

9〜10小節目は
コーラスごとに違うので
以下にまとめておきました。
気を付けて書き込みましょう。

<1>9〜10小節目
|  G♭7(4) / C♭M7 / E7(4)  |  AM7 /Dm7  |
9小節目に3つのコードが入ります。
左手のベース音と同じ位置に書いて下さい。

<2>21〜22小節目
上記と同じです。

<3>33〜34小節目
|  F♯7(4) / B7  |  E7(4) / A7  |
ここは、きれいに完全4度で書かれていますね。

<4>45〜46小節目
|  G♭7 / C♭M7  |  E7(4) /AM7  |

<5>57〜58小節目
|  G♭7(4) / C♭M7  |  E7(4) / AM7  |

<6>69〜70小節目
ここは「テーマ」ですので、1番上の9〜10と同じです。

♪書き込みが完成したら、CDを聴きましょう。
すごくカッコいいでしょう?
コード進行を見ながら聴くと、
いろいろなことがわかり勉強になります。

弾ける人は弾いて下さい。
全部弾けなくても、気に入ったところを
部分的に練習するだけでもいいです。

では、応用編に進みましょう。

       ☆           ☆

<応用課題 1>
下のコード進行を5線紙に書き出し、
キー「F」と「 B♭」に移調して下さい。
3つのキー(C、F、B♭)でコード進行を弾いてみましょう。
(原曲を弾こうと思っている人は、 キー「D♭」でも練習して下さい)。
先程のように同じコードが続く時は省略していいです。

||   C7   |   C7   |   C7   |   C7   |

|  E♭m7  |  E♭m7  |   C7   |   C7   |

|  F7 / B♭7  |  E♭7 / A♭7  |  D♭m7  |  D♭m7 ||

このコード・ネームを見て、普通のコードで弾くと
多分つまらない曲になります。
原曲のようにカッコよくやりましょう。
素晴らしいお手本があるのですから参考にしましょう。
コードの押さえ方も移調して練習して下さい。

<応用課題 2>
自分が弾きやすいキーでオリジナルを作りましょう。
ブルースのテーマは、簡単なモチーフで充分です。
複雑な事はアドリブ・コーラスで弾けばいいからです。

<応用課題 3>
「同じコードが続く時、どのようにして変化させているのか?」
「コードの押さえ方はどうやっているのか?」
楽譜を分析して参考にし、取り入れなさい。

     ☆     ☆     ☆

カプースチン作品を理解するには、
普段からこのようなコードに慣れる事が大切です。
他の曲も弾けるところだけでいいですから弾いてみましょう。
どんどん自分の音楽に取り入れましょう。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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