2007年01月11日 07:24

私が学んだ大切なこと!

「すごいなー、この2人は」
私は、驚いてしまいました。
音楽的な質問を次から次へと
私に浴びせ掛けて来るのです。

今回のテーマは、とても大切な問題です。
「理想的な生きる姿勢」
と言ってもいいかもしれません。
きっと、あなたのためになる話です。
じっくり読んで下さいね。

私は今、10数年ぶりの復活ライヴ(2回目)
を終えて帰って来たところです。
帰ってから、すぐにブログを書こうと思ったのですが
ウトウト寝てしまい、朝になってしまいました。
3日間、朝まで譜面を書いたり、練習していたので、
すっかり寝不足だったのでしょうね。

今日のライヴ、正確には、すでに昨日ですが、
感心したことがありました。

リハーサルのため、私は午後3時半にお店に行き
サウンド・チェック、照明、メンバーとの打ち合わせなど
2時間かけて行い、5時半に終りました。

さて、ここからがいよいよ本題に入ります。

本番の7時半まで2時間あります。
楽屋に行った私とメンバーは
普通ならコーヒーでも飲みながら雑談になります。
しかし、この日は違いました。

私のバンドはピアノ・トリオですので、
メンバーは、ベースとドラムです。
ドラマーは私より少し若く、
ベーシストは私より少し(多分大分?)上。
2人とも、その世界では大ベテランです。

話の切っ掛けは、ベーシストから始まりました。
「テルさんさあ、
sus4(サス・フォー)のコードの扱い方が
イマイチよくわからないんだよなー」
ということでした。
そこで私は例をあげて、分かりやすく説明しました。

その説明が的を得た答えだったようで、
ベーシストが早速ドラマーに
今理解したことを説明し始めるのです。

一般的にドラムの人は、理論の話になると、
アドリブをする他の楽器の人ほど理解していません。
あくまでも一般論ですよ。例外もあります。

さらに管楽器、弦楽器の人も、特にコードの話になると
ピアニストほどには、理解していません。
これも一般論ですよ。例外もあります。

そんな2人が私の目の前で
基本的なコードの話を展開しています。
私もそれを何となく聞いていて、
少し勘違いしている所を修正したりしました。

そのあたりからなのです。
この2人が私に
次から次へと質問を浴びせ掛けて来るのです。
話だけでは理解し難いので、
私は五線紙を取り出して説明しました。
理論講座が始まってしまったのです。

あっという間に2時間近く経ってしまいました。
私は、1ステージ目の曲順を考えないといけないので
次第にあせって来ました。

本番5分前。
いよいよ、私は曲順を考え始めました。
「テルさん、曲順を考えてるのに悪いんだけどさあ、
この場合はどうなるの?」と、まだ続く質問!
「悪いと思うなら話し掛けないでよー」
と心の中では思うのですが、あまりの2人の熱心さに
「ああ、もう曲順なんていい。ステージに上がってから決めよう」
と思いました。(ジャズでは、よくあることです)。

私たち3人は、急いでステージに上がりました。

これで話が終れば
私の文章もここでお仕舞いなのですが
そうは問屋が卸さなかったのです。

1ステージ目を楽しく終えた3人は、楽屋に戻って来ました。
普通ならここでコーヒーでも飲んでという場面なのですが、
早速また質問大会が華々しく開催されてしまったのです。
休憩時間は50分。
先程の2時間でも、あっという間でしたので
50分など「あ」にもならない時間です。(何て言うの?)

本番3分前で、私は2ステージ目の曲順を考え始めました。
「テルさんさあ、曲順を考えてるのに悪いんだけどさー」
「あのねー、さっき言った、いやいや、心の中でつぶやいたでしょう。
悪いと思うなら話し掛けないでよー」と、再び私は心で思ったのです。
「もういい。2ステージ目もステージで決めよう!」

私たち3人は、急いでステージに走りました。

これで話が終れば(以下省略)
そうは問屋が(以下省略)

私たちは2ステージ目を楽しく終え(以下省略)

「お疲れ様でした」と、お互いに声を掛け合い
「本当に今日はハラハラ、ドキドキで疲れたなあ」
と私が思ったのは、ほんのつかの間のはかない夢でした。

さらにさらに華々しく(以下)(省略という字も省略)

あなたこそ「お疲れ様でした」ですよね?

でもね、ここからが今日の大切な話です。

あと少しです。ここまで来たら(以下)。

私は、この2人に感心してしまったのです。
お互いにプロなのです。
プライドもあるでしょう。
わからないことが沢山あっても、
知っている顔をしていれば済むことです。
知ったかぶりでもいいのです。
それを、あくまでも「教えて下さい」という姿勢で
普段から疑問に思っていた事を問い続けました。

一方的に答え続けた私は、
音楽的に勉強になったことは一つもありません。
でも、嬉しかったのです。

私は、大切なことを
この2人から学ばせてもらったからです。

「何を?」

私が学んだのは
「謙虚な態度を見習おう」
そして
「いくつになっても向上心をわすれてはいけない」
ということ。

大切な心の姿勢を、私は2人から学んだのです。

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴60年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
Archives
カプースチン・ピアノ曲集