ジャズ・コード進行分析

2013年01月13日

コード進行の複雑化(その2)

前回に続いて
今回もカプースチンの作品を分析して
ジャズのコード進行について学びます。

「The End of the Rainbow」Op.112
「ジ・エンド・オブ・ザ・レインボー」
(虹の果て)を分析して
コード進行の複雑化を学びましょう。

楽譜は
「ピアノアルバム 1」(プリズム版)
85ページ、
下から2段目の1小節目(37)から、
86ページ上段2小節目(44)まで。
小節番号でいうと、
(37)から(44)までの8小節です。

前のレッスンで<形式>を書き込んだ
「C1」37〜44(8)になります。

この8小節のコード進行は、
以下のようになっています。

|Dm7 G7(4)|CM7 Em7 A7|
|Dm7 G7(4)|Em7 Am7|
|E♭m7 A♭7|C7(Bass D♭)D♭|
|F♯7(4)F♯7|BM7|

実はカプースチンは、
さらに細かいことをやっているのですが、
それは後日(さらに複雑化の時)説明します。

今回は、
この範囲の内容を理解しましょう。

このコード進行を単純化します。

|G7|C|
|G7|C|
|A♭7|D♭|
|F♯7|B|

キーだけで考えると、
<キーC>4小節
<キーD♭>2小節
<キーB>2小節

つまり<キーC>の半音上下のキーに
転調しているので覚えやすいですよね。

では、これを徐々に複雑化していきます。

|C|C|
|C|C|
|D♭|D♭|
|B|B|

上記は、すべて<トニック>のみです。
これを<ドミナント>と<トニック>
にしてみましょう。

|G7|C|
|G7|C|
|A♭7|D♭|
|F♯7|B|

次に、ドミナント・コードは、
「僑蹌掘櫚坑掘廖淵帖次Ε侫.ぅ屐
に分割出来ます。

|Dm7 G7|C|
|Dm7 G7|C|
|E♭m7 A♭7|D♭|
|C♯m7 F♯7|B|

ここまで分かりますか?

<キーC>のトニック「C」は1度、
「Dm7」は2度、
「G7」は5度なので、
<Dm7−G7−C>のコード進行を
2−5−1(ツー・ファイブ・ワン)
と言います。

では、続けます。
2小節目3拍目に、
次の小節の「Dm7」に行くための
ドミナント「A7」を入れます。
そして、セブンス・コードは
ツー・ファイブに分割出来ますので
「Em7 A7」にします。

|Dm7 G7|C Em7A7|
|Dm7 G7|C|

4小節目の「C」は「CM7」ですが、
ここはトニックの代理コード
「Em7」「Am7」に置き換えます。

|Dm7 G7|C Em7A7|
|Dm7 G7|Em7 Am7|

トニックの代理を知らなくても、
ここでは「そんなものか」と
軽く読み飛ばして進んで下さい。

ジャズに詳しい人は
「酒とバラの日々」
9〜10小節目を思い出して下さい。
2つのトニックの代理コードが
ここと同じように使われていますね。

4小節目のトニックは
代理コードを使いましたが
6小節目のトニック「D♭」は、
別の技法で装飾されています。

<トニック・ディミニッシュ>
のような技法です。

|D♭dmi7  D♭|
または
|C(Bass D♭) D♭|
今回のカプースチンは
「C」を「C7」にして
|C7(Bass D♭) D♭|
のようになっていますね。

本来のトニック・コードに
一瞬遅らせて解決する技法の1つです。

「sus4」なども、そんな種類の技法です。

7小節目(43)の「F♯7」は
よく見ると(正確に書くと)

|F♯7(sus4) F♯7|です。

私(このブログ)は
「sus」と書くのが面倒なので、
単純に「4」と書いています。

別の書き方をすると、
「E(Bass F♯)」
「C♯m7(Bass F♯)」
でも同じ意味です。

「sus4」コードの扱い方は、
第3音の代わりに第4音を使い、
その第4音が第3音に解決します。

ここの場合(43)で説明すると
「F♯7」の第4音(B音)が
左手3拍目裏で
「A♯音」になっていますね。
ここが「F♯7」で、
その前が「F♯7(4)」になります。

なお、この「sus4」コードは
解決しない場合もあります。

1小節目と3小節目の「G7」です。

ここを正確に書くと、
「G7(4)」または
「F(Bass G)」
「Dm7(Bass G)」
などになります。

「G7」の第4音(C音)が
第3音(B音)に解決しないで
次のコードに進んでいますよね。

ここまで説明したことを
全部まとめると〜

|Dm7 G7(4)|CM7 Em7 A7|
|Dm7 G7(4)|Em7 Am7|
|E♭m7 A♭7|C7(Bass D♭)D♭|
|F♯7(4)F♯7|BM7|

以上のようになります。

では、ここで復習しましょうか。
〜〜〜〜〜〜〜
|C|C|
|C|C|
|D♭|D♭|
|B|B|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|G7|C|
|G7|C|
|A♭7|D♭|
|F♯7|B|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|Dm7 G7|CM7|
|Dm7 G7|CM7|
|E♭m7 A♭7|D♭|
|C♯m7 F♯7|BM7|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|Dm7 G7|CM7 Em7A7|
|Dm7 G7|CM7|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|Dm7 G7|C Em7A7|
|Dm7 G7|Em7 Am7|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|E♭m7 A♭7|
|C7(Bass D♭) D♭|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|F♯7(4)F♯7|BM7|
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|Dm7 G7(4)|CM7 Em7 A7|
|Dm7 G7(4)|〜〜〜

さあ、ここで全部をまとめてみますよ!

|Dm7 G7(4)|CM7 Em7 A7|
|Dm7 G7(4)|Em7 Am7|
|E♭m7 A♭7|C7(Bass D♭)D♭|
|F♯7(4)F♯7|BM7|

今なら、よ〜く分かるでしょう?

さらに、ここまでわかると、
以下の8小節が理解出来ますよ。

「C2」45〜52(8)
「C1」93〜100(8)
「C2」101〜108(8)

注意、本来「C2」は「+4」が加わり
全体で12小節なのですが、
今は8小節目まで理解出来ればいいです。

上記の3ヵ所「C1」「C2」などと
「+4」については近い内に説明します。

では上記「C1〜2」を分析して下さい。
カプースチンが理解出来るようになると
本当に面白くなりますよ。(人生が…!)


terusannoyume at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年12月25日

「プレゼント」をあなたに(その2)

今日は、前回の続きで
「ホワイト・クリスマス」の
コード付け豆知識を、もう一つ
あなたにプレゼントしましょう。

「ホワイト・クリスマス」4小節目、
メロディーは…、
|ファ♯、ソ〜〜|

原曲のコード進行は〜
|F♯7、G7〜〜|

それを「A♭7、G7〜〜」にする。

ここまでが前回の話でしたね。

さて、今回は、
コード進行が分かっても
次の段階が大切なのです。

「どのようにコードを押さえるか?」
何でもいい訳ではありません。

下手に押さえたのでは、
このコード進行が活かされないのです。

以下のように弾いてみて下さい。

まず「A♭7」コードは、
左手(下から)「ラ♭」と
短7度上の「ソ♭」を弾き、
右手は(下から)
「ド、ミ♭、ソ♭」です。

<注意>
右手の「ド」は、
左手「ソ♭」から増4度上の位置。
オクターブ以上離れてはいけない。

次に「G7」は、
左手(下から)「ソ」と
短7度上の「ファ」を弾き、
右手は(下から)
「シ、ミ、ソ」にします。

結果は、どうなるかというと、
下3声が半音下がり、
上2声が半音上がることになります。

各声部の流れを考えて、
このようにしました。

「A♭7」右手の「ミ♭、ソ♭」を
「レ♯、ファ♯」のように扱ったのです。
(異名同音ですね)

「G7」の「ミ」は「13」になります。

ぜひ実際に弾いてみて下さいね。


terusannoyume at 18:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年12月14日

「AUTUMN IN NEW YORK」分析(8)

コード進行の勉強を続けましょう。

「THE REAL BOOK」(VOL.1)
38ページを開いて下さい。
「AUTUMN IN NEW YORK」の続き、
もう第8回目になりますね。

前回は、全体を見直し、
調整した方がいいところを探して、
修正しました。
今回も、その作業を続けます。

「B」5〜6小節目(全体では13〜14)
を見て下さい。
ここは原曲のコード進行を変えてあります。

「ザ・リアル・ブック」の進行よりも、
普通のコード進行を考えてみましょう。

13小節「Cm7」は「Cm」にして、
「キーCm」に転調したと考えて下さい。
14小節3拍目に「G7」がありますね。

この間(13〜14)に入るコードを
考えて下さい。
13小節3拍目と14小節1拍目です。

考える順序は、
まず14小節1拍目を考える。
「G7」の前に来るコード。
すぐに分かりますね?
でも、ここは「マイナーキー」ですよ。
注意して下さい。

次に13小節3拍目を考えます。

今14小節目で考えた1拍目コードと
13小節1拍目「Cm」の間に入る、
ごく一般的なコードです。

「ザ・リアル・ブック」の
コード進行もいいのですが、
ここは今考えた進行の方がいいのでは?

「その理由は…?」

     ☆

別の曲集では
コード進行が違いますので、
必ず以下の
「THE REAL BOOK」(VOL.1)
を見て下さい。
同じ「ザ・リアル・ブック」でも
初期のものは、かなり違います。

THE REAL BOOK - VOLUME 1 Sixth Edition For All C Instruments






terusannoyume at 13:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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