「ピアノのための6つの小品」(作品133)

2012年02月07日

Op.133<誤植>報告(その6)

カプースチン
「ピアノのための6つの小品」(作品133)

今回は、完全な誤植です。
そして、そこから話が発展して、さらに…。

第1曲目(4ページ)

下から2段目、3小節目(小節番号10)
右手4拍目裏「F音(ファ)」にナチュラル。

同小節、同音域2拍目に
「F♯音(♯ファ)」あり。

問題の4拍目裏のコードは「G7」なので
「ファ」がナチュラルじゃないと
いけないんだ。

さて、ここで誤植の指摘が正しいことを
証明しよう。
別の問題も出て来るので
しっかり読んでね。

問題の小節(10)の
すぐ下の小節(14)を見てごらん。

右手最後の音が「ファ」になってるよね?
ここも「G7」のコード。
コード進行も同じ
「G7」から「A♭」に行く偽終止だね。

ついでに両方の小節(10,14)、
左手3拍目裏の「F音(ファ)」にも
ナチュラルを付けておこう。
ここは
右手「F♯音」と同じ高さではないから
付けなくてもいいんだけれど、
念のために付けておく。

さらに「G7」の証明を続けると、
またまた別の問題が出て来るんだ。

6ページ1番下の1小節目(42)
右手最後も「G7」だよね。
この(42)が(10)の再現なんだ。

もう1つ、7ページ上1小節目(46)
最後を見てごらん。

これで問題の(10)が誤植だ
ということが、よくわかったよね。

さて、またまた別の問題というのはね、
10、14、46小節の左手ライン、
3拍目裏から

|F〜G♭〜G|なんだけれど、

42小節目だけは

|F〜F♯〜G|なんだね。

他の状況は、ほぼ同じなのにね。

作曲家も気まぐれなのかな?

どちらかに統一したらいい
と思うんだけれど?

これでもいいのかな?

それとも深い意味があるのかな?

terusannoyume at 07:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年02月06日

Op.133<誤植>報告(その5)

カプースチン
「ピアノのための6つの小品」(作品133)

今回は誰にでもわかる
初歩的なミスプリから始めよう。

第2曲目(11ページ)

上から4段目、2小節目(小節番号52)
右手2拍目裏「G音(ソ)」にナチュラル。

同じ小節1拍目に「G♯音(♯ソ)」あり。
このままでは次の音「A♭音(♭ラ)と
異名同音になってしまう。
(原譜にはナチュラルあり)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

次は親切記号なので、
なくてもいいのだけれど、
あった方が親切なので…。

第2曲目(10ページ)

上から3段目、1小節目(小節番号34)
左手3拍目コード「A音(ラ)」にナチュラル。
半拍前の右手に「A♯音(♯ラ)」あり。

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2012年02月05日

Op.133<誤植>報告(その4)

カプースチン
「ピアノのための6つの小品」(作品133)

今回の誤植は、とても面白くて珍しい例だ。
世の中こんな不思議なこともあるんだね。

第1曲目(4ページ)

上から2段目、1小節目(小節番号4)
後にある複縦線は完全な誤植なので、
縦線1本を消して普通の縦線に戻す。

<理由1>
形式を書き出すと分かるけれど、
この曲は、[A]8+[B]8+[C]8〜のように
8小節ずつ進んでいく曲(コーダ以外は)。

このままでは、
イントロ(4)と[A1](4)になってしまい、
形式の解釈に大きな影響が…。

<理由2>
カプースチンは他の曲でも、
イントロと[A]の間に複縦線を引いていない。

4曲目(16ページ)と
5曲目(19ページ)を調べてみよう。

<理由3>
もしこれが正しいというなら、
[A1](1〜8)の再現部[A3](49〜56)の
52小節後に同じ複縦線がなければならない。
つまりどちらにしても片方が誤植になる。

<理由4>
「作曲家は複縦線を引いていない?
それは、どういうことですか、ホームズさん」

   <疑惑の複縦線>
〜名探偵ホームズと編集者の会話〜

「ホームズさん、
先日送りました作曲者の手書き譜、
よく調べていただいたでしょうか?
元の楽譜を忠実に入力した私に
<無実の罪>を着せようとする
<とんでもない奴>がいるのです。
ぜひ私の無実を証明していただきたい」

「あなたは、この作曲家が
縦線を定規でキッチリ引くことを
よくご存じですね」

「勿論です」

「複縦線も
しっかり同じ太さで引きますね」

「はい、そうです」

「問題の複縦線ですが、よく見ると
左側の線が細くてかすれていませんか?」

「はあ、確かに…。
でも、これはコーピーがかすれたのです」

「そうでしょうか。
他の複縦線は、ハッキリと書いてありますよ。
それと、さらによく見ていただきたいのは、
縦線の上部が五線紙の1番上の横線から
数ミリ上に出過ぎていますね。
この作曲家が
五線紙からはみ出す縦線を引くでしょうか?」

「そうですね?」

「結論から言うと、
これは作曲者が引いた線ではありません」

「と言うと、誰が?」

「誰も左側の縦線を引いていません。
この小節の音を書き直すために
作曲者が上から紙の断片を
部分的に貼り付けたのです。
その証拠に
2〜3小節目の間をよく見て下さい。
5線の各線が微妙に歪んでいますね。
この小節も上から紙を張り付けた証拠です。
つまり<疑惑の縦線>は
紙1枚分の盛り上がった部分が
コピーした時に縦線として出てしまい、
ちょうど複縦線のように見えるのです」

「それを私が勘違して?」

「いいえ、あなたは見えたままを
忠実に入力したのですから
素直な良い編集者です。
問題は、
ページ全体を書き直さなかった作曲家が…。
まあ、早く仕上げて
大好きな酒でも飲みたかったのでしょう。
これも、ごく自然な行為で憎めませんな。
今回は、誰も責めることは出来ません。
まあ、今後は最初から書き直すように
作曲家にお願いしたらいかがですか?」

「そうですね。
ホームズさんからの提案として
そのように伝えておきます。
ありがとうございました」


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2012年02月04日

Op.133<誤植>報告(その3)

カプースチン
「ピアノのための6つの小品」(作品133)

今回の誤植?は、とても重要です。

それは、メロディー音だからです。

しかもコードが
<メジャー>か<マイナー>か
大きな影響を受けてしまいます。

検複感別棔烹隠轡據璽

上から2段目、3小節目(小節番号17)
右手1拍目のメロディー音「G♭音(♭ソ)」は
「G音」(ナチュラル)では?
「♭」を取って<ナチュラル>を付ける。

<理由1>
作曲者による楽譜では
「G音」に「ナチュラル」あり。

<理由2>
これは決定的な理由ではありませんが、
次の2小節(18〜19)のメロディーは
「G音」なので。

<理由3>
もし作曲者が「G♭音」に変更したのなら、
その小節(17)内の右手3拍目裏「G音」
(上から2番目)に
ナチュラルを付けなくてはいけない。

なぜなら、ここは4拍目コードに全声部が
半音下から解決するコードだから。

つまり、この小節は、
どちらにしても誤植になる。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

いくつもの誤植をすでに見付けていますので、
時間がある時に少しずつ報告しますね。

今後の予定ですが、誤植報告をしながら、
6曲の<形式>を1曲ずつ書き出し、
その後<コード進行>分析もしようと思います。

この曲集が日本での人気曲になるのを願って…。


terusannoyume at 07:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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