2020年10月13日

「ヒメノ」楽曲分析10

今回は
「ここでこんなコードが使えるのか!」
という<驚きのセリフを言う>話です。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(10)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

5〜6小節目の|C|A7|は
1〜2小節目と同じなので省略して、
今回は7小節目の「Dm7」について、
「なぜこの押さえ方が使えるの?」と、
しばらく考えてみる企画になりました。

       ☆

早速、右手コードを見てみよう。
下から「ファ、♭シ、♭ミ」だよね。
注、1オクターブ上の「ファ」は
下の音と同じなのでコードを考える時は
省略して考えよう。

なぜ「ファ、♭シ、♭ミ」が、
キーCの時の「Dm7」に使えるのか?

最初このコードを見た時、
「Dm7(♭5)」を使っているのか、
と思った。
このコードなら
スケールはロクリアンなので
「♭シ、♭ミ」を使える。
(注、通常の理論では「♭ミ」は使えない。
 上級者になって上手く使えば使用可能に)

しかし左手を見てみると、
ルート(第1音)の「レ」の他に
第5音の「ラ」も使っている。
その後の「♭ラ」は次の「ソ」に行く
半音の経過音になる。
ということは、
やはりコードは「Dm7」でいいことになる。

通常のジャズ理論では、
キーCで「Dm7」のスケールは
ドリアンなので「♭シ」「♭ミ」はない。

「じゃあ、このコードはどうなってるの?」

さて、ここであなたへの質問です。

「♭シの音は何?」
「♭ミの音は何?」
「使うスケールは何?」

あなたもしばらく考えてみよう。

普通のジャズ理論を知っている人なら
答えがすぐにわかるはずだ。

「そんな使い方があったのか」
と納得すると思う。

解説は次回です。
お楽しみに!

(続く)


terusannoyume at 02:40│Comments(0) コード進行の勉強 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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