2020年10月04日

「ヒメノ」楽曲分析2

パスカル・ヒメノ楽曲分析(2)

☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード

前回の問題わかったかな?

次のコードのコード・ネームは?
下から「ラ、♭レ、♭ミ、♭ラ」

ジャズ・ピアノを学んでいる人なら
すぐに答えられたと思う。

答えは「F7」だよね。
「ラ(3)、♭レ(♭13)、
♭ミ(♭7)、♭ラ(♯9)」

このコードを右手で弾いて、
左手はベース音「F」を弾く。

これがジャズでは普通の使い方だよね。

ところがね、
「ヒメノ」は普通じゃないんだ。

「いいか、驚くなよ!」

と言ったって、
ジャズ理論を知らない人は
何を言っても驚かないよね?

だってね、
このコードが「F7」だとわからない人は
左手ベースに何の音を持って来ても
「ふ〜ん、そんなものか」と反応がないよね。

テル先生一人だけで
盛り上がっテルみたいだけれど、
ここで答えを発表しよう。

左手「G音」を持って来て、
なんと「G7」として使っているんだ。

「え!ウソでしょう?」

「ウソじゃない。以下を見よ!」

「GIMENO」
演奏会用リズム・エチュード第2集
3曲目
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」
35小節目

普通ジャズコードで
オルタード系の「G7」なら
上記コード「F7」のすべての音を全音上げて、
以下のようになるはず。

「シ(3)、♭ミ(♭13)、
ファ(♭7)、♭シ(♯9)」

作曲者は、
この「G7」を知らないのだろうか?
と思ったが、勿論そんなことはない。
ちゃんと次の小節(36)で使っている。
(注)第3音「シ」を
「♭ド」で書いているけれど。

それでは、この不思議なコードは、
どう解釈したらいいのか?

謎は深まるばかりだ。

(続く)





ヒメノ:演奏会用リズム・エチュード 第2集 (全音ピアノライブラリー)

☆不思議な(謎の)コードを
よい子は絶対に真似しないでね。
セッションなどで使ったら、
みんなから間違えたと思われる。
使うのならオリジナル曲で使う。


terusannoyume at 23:57│Comments(0) コード進行の勉強 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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