2020年01月08日

「男の子女の子」ジャズ(その5)

今回は全員に関係ある大事な話なので
しっかり読んで勉強しよう。

ジャズのセッションでは
必ず「F」のブルースを演奏するよね。

「F」ブルースはセッションに行かない人でも
ジャズを学ぶすべての楽器の人の必修科目だ。

そこで質問。
例えば「Now's The Time」は
代表的な「F」のブルースだけれど、
楽譜を見ると5〜8小節目に
|B♭7|B dim7|F7 | D7 |〜
と書いてある。

この「F7」をピアノで右手コード、
左手でベース音を弾く時に
ベース音は何の音を弾く?

「そんなの簡単だよ」
「F7だから当然<ファ>だよね」
と思った人は<間違い!>。

では何の音を弾く?
その理由は?
ジャズ理論で何と言う?
つまり理論書のどの項目に書いてある?

ジャズ理論を理解している人なら
上記の質問は即座に答えられるよね。

わからない人は今回じっくり学ぼう。
ブルースは初心者から上級者まで
すべての楽器の人の必修定番曲だからね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それでは前回の続きです。
話は「キーB♭」のブルースに戻ります。

前回学んだのは5〜6小節目、
サブドミナントの領域。
「E♭7」2小節でもいいけれど、
6小節目に「E dim7」を入れて、
その理由を説明しました。

さて、ここからです。

次の小節(7小節目)は
トニックに戻りますので、
コードは「B♭」または
ブルースですので「B♭7」。

ここが問題のところです。
ここでベース音は「♭シ」ではなく、
「ファ」を弾きます。
「B♭7」の第5音です。

「なぜ?」

ここで「ファ」を弾かないで
「♭シ」を弾いてしまったら
前の小節「B dim7」の行き場所(解決先)が
なくなってしまうのです。

逆から言えば
「E♭7」(5小節目)と
「B♭7(Bass F)」(7小節目)のベース音、
「♭ミ」(5)と「ファ」(7)の全音の間に
「ミ」(6小節目)を入れて
半音階で経過的に連結するのです。

これを経過的な減7の和音、
パッシング・ディミニッシュというのです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

理解出来ましたか?
これを「F」ブルースに置き換えてみましょう。

(1〜8小節)
|F7|B♭7|F7|F7|
|B♭7|B dim7|F7 | D7 |〜

5小節目から8小節目までの
ベース音の基本ラインが
「♭シ→♮シ(ナチュラル)→ド→レ」
のようになります。

市販の「Fブルース」の楽譜で
「F7(Bass C)」と
書いてない場合が多いので、
ここはしっかり覚えておいて下さいね。

(続く)


terusannoyume at 10:28│Comments(0) コード進行の勉強 | 効果的なアドリブ上達法

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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