2020年01月04日

「男の子女の子」ジャズ(その2)

例のコード付け(ピアノ演奏)を聴いて
あなたは気が付いたでしょうか?

[A1](12)と [A2](12)では、
別のコード進行が付いていることを…。

普通の場合、
[A1] と[A2] はメロディーが同じなので
コード進行も(ほぼ)同じです。
「ほぼ」と書いたのは
それぞれの最後の1〜2小節が違います。

[A1](12)の11〜12小節は、
[A2](12)に帰るためのコード進行。

[A2](12)の11〜12小節は、
[B](9)に行くための進行になるからです。

ですが、それ以外はメロディーが同じなので
当然コード進行も同じなのです。

では、なぜ今回は変えたのか?

その理由は〜

今回の演奏はソロ・ピアノですが、
ピアノ・トリオや管楽器がいるバンドで
演奏する場合、アレンジの一つの方法として
次のような想定をしているのです。

[A1] をソロ・ピアノで自由に弾いて、
11小節目あたりからテンポを出して、
[A2] からドラム、ベースが入って来る。
または管楽器がメロディーを吹き始める。

そんな設定になっているのです。

ソロ・ピアノなら細かいコード付けも出来ますからね。
私はピアノ・トリオでずっと活動していましたから、
この方法をよく取り入れていました。

コード進行の違いに気が付かなかった人は
ぜひもう1度 [A1] と [A2] を注意して聴いて下さい。

1〜7小節目までが
別のコード進行になっています。

どちらもメロディーにピッタリ合っていて、
自然に聴こえるはずです。
コード付けの面白さは同じメロディーでも
いろいろなコード進行が付けられることです。

同じ曲でもジャズ・ピアニストによって
コード付けが違うことはジャズ・ファンなら
すでに体験していることでしょう。

それもジャズの楽しみ方の一つですからね。

一般の人が音楽を聞く場合、
歌なら歌詞、演奏ならメロディーを中心に
聞きますよね?

ベース・ラインやコードまで聞かないでしょう?

しかしコード付けを出来るようになりたい人、
演奏能力を高めたい人は、音楽を聞く時に
コード進行(ということはベース・ライン)や
コードの響き(縦の積み重ね方)まで聴く訓練を
しなくてはいけません。

(続く)


terusannoyume at 07:25│Comments(0) コード進行の勉強 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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