2008年08月22日

「幻想即興曲」和声分析

ショパン「幻想即興曲」(作品66)

この曲、最初は「キーC♯m」ですが、
中間部で調号が「D♭」(♭が5つのキー)に
変わります。

この中間部のメロディーは有名で、
英語の歌詞が付けられて
スタンダード曲にもなっています。

|♭ラ〜♭シ ♭ラ ♭レ ♭ミ |ファ〜 ♭ラ〜|

今回の勉強は、この2小節のコード進行です。

これが、ちょっと興味深いのです。

ジャズ・コードのヒントになったのでは?と思える。

まず「この2小節のメロディーにコードを付けなさい」
という課題を出されたら「D♭」で正解でしょう。

ところが、さすがショパン先生はやることが違います。

1小節目1〜2拍目は、
「♭レ、♭ラ、ド、♭ミ」ですね。

これは何のコードかわかりますか?

「A♭(Bass D♭)」です。

「機廖淵肇縫奪音)の上に「后廚鮠茲擦燭里任后

この時代には、まだ「D♭M7(9)」というコードはない
と思います。(♭レ、ファ、♭ラ、ド、♭ミ)

しかし「A♭(Bass D♭)」と弾くことによって、
未来のジャズ・コードを予感させるような気がします。

ジャズ・コードへと進化していくヒントが
ここにあるような気がするのですが、どうですか?

1小節目3〜4拍目は、
「機廖淵肇縫奪音)の上に完全な「坑掘廖淵疋潺淵鵐函砲。

「A♭7(Bass D♭)」ですね。

ベートーヴェン「悲愴」でも出て来ましたね。
「G7(Bass C)」です。

このように、トニック音の上で「坑掘廚鮖箸Δ海箸蓮
よくありますので覚えておいて下さい。

今回のコード進行を「キーC」で書くと、

|G(Bass C) G7(Bass C)| C |

これをピアノで弾いてみて下さい。

最初のコードが「CM7(9)」のように聞こえませんか?

           ☆

今回の名曲「幻想即興曲」(中間部)

普通なら「D♭」(♭レ、ファ、♭ラ)を付けるはずが、
さすがショパン先生は一味違った和声を付けた。

「いやあ、音楽って奥深くて楽しいもんですねえ」

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terusannoyume at 19:39│Comments(2)TrackBack(0) 作曲法あれこれ 

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この記事へのコメント

1. Posted by さちぴょん   2008年08月23日 12:07
5 なるほど〜☆
「M7(9)」誕生のきっかけかもしれないのですね!
現代に通じる斬新な(?)音の使い方のヒントが、ショパンの中にたくさん隠れているような気がしますね! 裏コードのようなのもよく使っていますよね?

ショパン先生やベートーヴェン先生から学ぶことが、まだまだたくさんありそうです。謙虚に学ばなければ☆
2. Posted by テルさん   2008年08月24日 01:53
 もっと多くの作曲家を取り上げたいと思っていますし、同じ作曲家でも沢山の作品を分析したい。
 ジャズ理論がどこから来たのか?いつ頃の時代から使われていた技法なのか?
 そんなことは、どこにも書いてないので知りたいです。
 どんな音楽からでも学ぶことは沢山ありますからね。
 これから学んでいきましょう。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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