2008年05月28日

「サマータイム」研究(7)

 〜NHKジャズピアノ講座(9−7)〜

 <放送最終回 特別記念課題>
 
ついに来ました、放送最終回!
本日、08年5月28日(水)で番組が終ります。

「早く観たい!…」(でも観たくない?)
        
       どうして?

「明日から、どうやって生きていけばいいのよ?」
    という気持ちも少しありますから…。

    しかし、やはり早く観たいですね。

さて、前回の宿題は出来ましたか?
(まだ読んでない人は先に前回を読んで下さい)

曲全体のコード進行も書き出してありますので
   前回から読んだ方がわかりやすいですよ。

♪宿題は、[B]4小節目、最初のコードを、
 ヒロコ先生は「Gm7」、テル先生は「Dm7」。

「テル先生は、なぜ「Dm7」にしたのでしょう?」

    その理由を、2つ答えなさい。

これが問題でしたね。

では、先に進みます。

(念のために、もう1度言いますが、
     前回を読んでからでないと、
        以下の説明はわかりませんよ)

          ☆

    <解答 その1>

ヒロコ先生の例、[B]4〜5小節は

|Gm7 C7|F7 B♭7|

この進行は、[A]5〜6小節にもありますね。

たった16小節しかない曲のコード進行で
  しかも別のメロディーに同じ進行とは…?

それに別の小節(奇数、偶数)から始まります。
   [A]5〜6   [B]4〜5

これでは初心者がアドリブする時に混乱します。

その前の小節もよく見て下さい。

[A]は、|Dm7 G7|を4回繰り返して、
[B]は、|Dm7 G7|を3回繰り返して、
      「Gm7」へ行く。

〜|Dm7 G7|Gm7 C7|F7 B♭7|〜

まるで同じ進行が
  [A][B]それぞれ別の小節から始まると
      アドリブを弾いている間に、
  「あれ、今、[A]だっけ?[B]かな?」と
      演奏者は混乱するのでは?

そこで、どちらかの「Gm7」を変えたいのですが、
      [A]の「Gm7」は元からあったコード。
       それで[B]を「Dm7」にするのです。

「なぜ、Dm7?」

  以下に続く。

    <解答 その2>

これが本命の解答。

前に話した、あの「転調」が関係してきます。
  [B]5小節目の「FM7」ですね。

ヒロコ先生は「ジャズなことわざ博士」です。
例、テキスト32ページ「ブタもおだてりゃ〜」
       が有名な代表作?

今回は、博士の教養がジャマをしたのかな?
    
     「ブタの顔も三度」

「温厚なブッタ様でも、3回シッポを引っ張ると
 4回目は、かみ付く」という意味のことわざ?

[B]1〜4小節は、「Dm7」が4回繰り返し。

そこで、ヒロコ博士は、
「これはマズイぞ。なんとかしなくては…?」

「そうだ!ブタの顔も三度までなのだ!」

そして、ヒラメキのヒロコ先生は…

4小節目を「Gm7」に変えれば
       「僑蹌窟坑窟機廚撚魴茲垢襦

「私って、やっぱ天才かも!」(天然の…?)

その結果が、ヒロコ先生のコード進行です。

前回のブログを参照して下さい。
  (または、テキスト89ページ
     上段2小節目から4段目4小節目まで)

このコード付けでも立派なものですよ。
  ジャズ理論的にも間違いはないし、
      すべてがキレイにつながっています。


           ☆

一方、テル先生は、あえて「Dm7」を使います。

「なぜ?」

ここからが♪「本日のメインイベント〜〜〜」

|Dm7 G7|を3回も繰り返し、
     4回目にも「Dm7」を弾けば、
         誰でも次は「G7」を予想する。

そこで、さりげなく「C7」を持ってくる。

「4回やるぞ」と見せ掛けて、
   3〜4拍目(転調の寸前)で裏切る。

聴き手が「あれれ…?」と思った瞬間に
利き手(ヒロコ先生の左手)で「F」ベース音を
   <ガア〜ン〜>と、一発お見舞いすると…

  こつ然と姿を現す「長調の主和音」さま〜!

  「音楽家は、優れた演出家でもあるのだ」

       <今日の教訓>

  「コード付け 最後に全体 見直そう!」

terusannoyume at 09:20│Comments(3)TrackBack(0) NHKジャズピアノ講座 

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この記事へのコメント

1. Posted by mm   2008年05月28日 11:51
20年前に買って殆ど見ずにいた先生のレッツプレイジャズで勉強を始めています。右脳人間なので理論は難しいですが、その大切さをこのブログで知りました。「シェルブールの雨傘」や「枯葉」などを弾いてみています。youtubeでミッシェル・ルグラン本人の「シェルブール‥」の演奏を見て感動しました。とてもとても近づけるものではありませんが、プロの方々が何をどのように習得なさってきたのかを教えて下さると、とても参考になります。NHKの番組は終わりますが、どうぞこれからもいろいろと教えてください!
2. Posted by さちぴょん   2008年05月30日 00:24
5 テル先生、貴重な解説をありがとうございます! とても勉強になりました。
残念ながら自分で考えた答えは全然当たっていませんでした〜(^^ゞ Dm7を使った方が、きちんと解決してから次に展開していく感があるような気がして、率直に好きだとは思いましたが…。自分ではコード進行に対して「こだわり」のある方だと思っていましたが、まだまだ!! 本当に奥の深い世界ですね。テル先生の鋭い視点に少しでも近づけるようにがんばりますので、これからもご指導よろしくお願いします!
3. Posted by テルさん   2008年05月30日 08:44
 mmさん、ぜひ復習というか、それらの曲に挑戦して下さい。ブログはまだまだ続きますから、またいろいろなことを書きます。NHK講座も終りましたが、私達はまだ終っていませんからね。
 さちぴょんさんも「まだまだ」ということを自覚すればいいのですよ。
 これからも、さらに上を目指して勉強を続けて下さい。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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