2008年02月06日

上達のための大切な心得(4)

 この心得シリーズは、
(1)長3和音、(2)短3和音、(3)長音階
と続けて話して来ましたが、
今回は<指使い>についてです。

「何も<指使い>まで書かなくても…?」
「書くなら<魔法使い>の話を書いて!」
という人がいるかもしれません。(そんな奴いるかい!)
ところが、以外とわかっていない人が多いのです。

わかっている人でも、無意識に弾いていたのでは、
まるで<人形使い>に操られているようなもの。

今回は、
「目からウロコ」のなるほど納得、
「指使い魔法の法則」のお話です。
(きっと頭がスッキリするぞー!)

          ☆

長音階を弾いて行く順番は、いつもの完全4度上です。

右手の指番号は、親指(1)から順に小指が(5)です。

♪<法則1>
「ド」と「ファ」は、親指(1)が受け持つ。

♪<キーC>
「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」
「1,2,3,1,2,3,4,5」

「ド」と「ファ」が親指(1)ですね。この法則を
「ドン・ファンは親分」と覚えましょう。

最後(オクターブ上)の「ド」は小指(5)になっていますが、
音階がここから引き返す時、または終る時が(5)です。
さらに上に進む場合は法則通り「ド」を親指(1)にします。

♪<キーF>
「ファ、ソ、ラ、♭シ、ド、レ、ミ、ファ」
「1,2,3,4,1,2,3,4、」

「ドン・ファンは親分」が、しっかり当てはまりますね。

最後(オクターブ上)の「ファ」は薬指(4)になっていますが、
音階がここから引き返す時、または終る時が(4)です。
さらに上に進む場合は法則通り「ド」を親指(1)にします。

             ☆

さて、次は「黒鍵から始まる音階」が5つ続きます。

♪<法則2>黒鍵で始まる音階は「人さし指」から。

〜黒鍵1つから白鍵に行く2つのキー〜

♪<キーB♭>
「♭シ、ド、レ、♭ミ、ファ、ソ、ラ、♭シ」
「2,1,2,3,1,2,3,4」

最初の黒鍵は人さし指(2)、「ドン・ファンは親分」も
しっかり当てはまっていますね。

♪<キーE♭>
「♭ミ、ファ、ソ、♭ラ、♭シ、ド、レ、♭ミ」
「2,1,2,3,4,1,2,3」

<法則2>黒鍵から〜のことを「黒髪のお母さん指」
略して「黒髪の母」と覚えましょう。
「ドン・ファンは親分」も健在ですね。

ここまで、4つのキーとも<法則 1>が、
さらに上の2つのキーは<法則 2>も
しっかり当てはまっています。

〜黒鍵2つから白鍵へ行く場合〜

♪<キーA♭>
「♭ラ、♭シ、ド、♭レ、♭ミ、ファ、ソ、♭ラ」
「2,3,1,2,3,1,2,3」

「黒髪の母」と「ドン・ファン親分」健在。

♪<キーD♭>
「♭レ、♭ミ、ファ、♭ソ、♭ラ、♭シ、ド、♭レ」
「2,3,1,2,3,4,1,2」

別の表現「黒いひとみの母と父ドン・ファン」

ここまで、6つのキーとも<法則1>が、
そして上の4つのキーは<法則2>も
相変らずピッタリと当てはまっています。

〜黒鍵3つから白鍵へ行く場合〜

♪<キーG♭>
「♭ソ、♭ラ、♭シ、♭ド、♭レ、♭ミ、ファ、♭ソ」
「2,3,4,1,2,3,1,2」

この音階の4番目「♭ド」は鍵盤上では「シ」ナチュラル。
しかし「ソ、ラ、シ、シ、レ」と読むと「シ」が2つ続いて変。
そこで「ソ、ラ、シ、ド、レ」と読んで全部「♭」を付けると
「♭ド」になり<法則1、2>がピタリと当てはまりますよね。

「カラス(黒)のカア(母)さん、父親ドン・ファン」も健在!

「かあ」(あ、違った!)
「さあ、これで終わりです」

        ☆

「え!まだ残っているですって…」
「そうなんですけれど、後は簡単なんです」

今までの価値観(法則1、2)が消滅して
新しい時代(新宇宙の法則)に突入するのです。

まず<法則1>「ドン・ファンの親分」は、いなくなります。
なぜなら新世界(♯系のキー)では「ド」と「ファ」はなくなり、
心のレベルが1段上がり「♯ド」「♯ファ」に進化するのです。

*最後のキーGだけに「C=ド」が出て来ますが、これは
来たるべき世界(キーC)へスムーズに移行する準備です。
指使いは当然「親指」でドン神父さまとして復活します。

<法則2>黒鍵(暗闇)から始まる世界もここで終了しました。

そこで登場するのが、新時代に向けての<新宇宙の法則>

♪<法則3>
「5人の天使、羽音は同じ」

「あ、いきなりこれじゃあ、意味不明だよね」

「やり直し。やりなおし」

<法則3>
残り5つのキー(B,E,A,D,G)は、「C」(ハ長調)と同じ。

詳しく説明しましょう。

残りの5つ(5年)は黒鍵(暗闇部分)が1つずつ減って行き、
すべて白鍵のハ長調(純白の心の世界)に帰って行きます。

(あと5年!これが有名な2012年問題フォトンベルト)
(地球人類が未経験の新しい時代を迎える時です)

「あ、あ、あ、話がこん、こん、こんがらがっちゃったよ」

単純に考えます。単純に…。
この法則は、次のように覚えましょう。

「5人の天使、羽音は同じ」
5人の天使(5つのキー)が人類を思う気持ちは同じ。
その気持ちを飛ぶ時の羽音(はおと)で表現して、
ハ音(ド)=ハ長調とも同じだということを言いたいみたいだ?
(自分でも意味ようわからんなってきた!)

以下の例でもいいかもしれない。

「鋭く舞い散る5枚の葉音」
鋭く(シャープ系)舞い散る5枚の葉っぱ(5つのキー)、
風に舞う葉音(はおと、ハはド音)つまり「ハ長調」と同じ。

♪まとめましょう。

1.CからG♭まで「ド」「ファ」は「親指」。
  (C、F、B♭、E♭、A♭、D♭、G♭)(7つのキー)
2.黒鍵で始まるキーは「人さし指」から弾く。
  (B♭、E♭、A♭、D♭、G♭)(5つのキー)
3.最後の5つ(シャープ系)は「ハ長調」と同じ。
  (B、E、A、D、G)
         
「たった、これだけ!」
長音階12キーの複雑な指使いが習得出来るのです。
 
        ☆

<指使い>は、他にもあります。

今回は右手だけでしたが、左手の<指使い>は
「ハノン」などを参考に各自で研究して下さい。

今回、私が言いたかったことは、
普段「無自覚」にやっていることでも、
分析して頭を整理すると覚え易くなり、
さらに「わすれない」ということです。

曲を弾く時も同じ姿勢で取り組みましょう。

terusannoyume at 05:42│Comments(4)TrackBack(0) 愛と感謝の即興演奏法 

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この記事へのコメント

1. Posted by マリア   2008年02月07日 04:45
5 指使いに悩んでいたところでした。同じところで間違うのは指使いが原因でした。目からウロコです。もう二度と迷わない指使いに頭と心がスッキリと整理されてきました。(^-^)
ブログを読んでいるといつも心が豊かになります。
一つの光が見えてきました(^-^)ありがとうございましたm(__)m 
2. Posted by テルさん   2008年02月07日 05:24
 いやー良かったですね。私も書いて良かったです。
 その体験談よくわかります。生徒のスケール課題を見ている時「あ、その指で弾いたら次の音に行けないぞ」と思う瞬間があって、案の定そこで止まってしまうのです。そこは指を変えないと次に行けないポイントの箇所。
 音階練習の間違いは、音列を覚えていない場合と、指使いが原因という場合も結構あるのですよね。
 貴重な体験報告をありがとう。みんなにも参考になると思います。
3. Posted by ナナ   2008年02月07日 09:32
5 実戦的に大変役立つ考え方をご提示くださり、本当にありがとうございます(^◇^) 自分ではわかっているように思っても、瞬間的に反応出来ない(身についてない)、特に緊張した時(人前での演奏)など、使い物にならないことが多々あります(>_<)
 テル先生の分類法!!とても頭にスッキリと入り込みます!(^^)!「ドンファンの親分」のネーミング、非常に受けました(笑) こんな考え方が出来るテル先生に指導を受けられる生徒さんは本当に幸せですね!!私もいつかご指導を承りたいと、今日も基礎トレーニングに励みます(^^♪
4. Posted by テルさん   2008年02月07日 10:51
 喜んでくれて嬉しいです。自分でも面白いこと考えたなと思います。印象的でわすれないでしょう。それでいて本当に事実なんだから素晴らしい説ですよね。
 指使いは大切なのに今まで無意識に、あるいは何となくやっていた人が沢山いると思います。
 このテル式<指使い魔法の法則>で、みんなの頭をスッキリさせたいですね。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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