2007年12月16日

「幻想即興曲」分析(7)

前回までの分析(5)と(6)は応用編でしたので、
今回は分析(4)の続きで<13小節目>からです。

[ A ] b (小節番号13〜24=計12小節)
(今回の解説は長くなるので20小節目までにします)

<13小節目> F♯m(Bass A)
F♯mの第1転回型(ラ、♯ド、♯ファ)です。
なぜ第1転回型なのでしょう?
メロディーが1度の音(♯ファ)だから、バスを「ラ」にしたのです。
(メロディー1拍目(♯ソ)と3拍目(♯ミ)は装飾する音)

<14小節目> B7、E
前の小節「F♯m」と、
この小節「B7」(ドミナント)、「E」(トニック)を合わせると、
「僑蹇櫚坑掘櫚機廚妊ーE(ホ長調)に転調。
最初のテーマ(5小節目)「C♯m」に対して「平行調」
(同じ調号、♯4つの長調)への転調ですね。

<15小節目> F♯m(Bass A)
音は、13小節目と同じですね。
(右手の弾き方が少し変わりますが)

<16小節目> B7、E
コード進行は、14小節目と同じですが、よく見ると
左手「B7」が少し違いますね。
14小節目では、第3音(♯レ)省略、
16小節目では逆に、第5音(♯ファ)が省略されています。
なぜでしょう?

メロディーにある音を省略していますね。
14小節目の右手2拍目に「♯レ」(第3音)があるので、
左手では弾かない。(省略した)

16小節目の右手2拍目に「♯ファ」(第5音)が来たので、
左手は「♯レ」(第3音)に変えた。

どちらの小節も、右手と左手の音を合わせると
完全な「B7」(シ、♯レ、♯ファ、ラ)になるのです。
クラシックは、芸が細かいですよね。
本当に「繊細」です。
じっくり味わって下さい。

<17小節目> F♯m(Bass A)
13、15小節目と音の分析は同じですが、
それぞれの小節(3小節とも)、弾き方の違いに注意して下さい。

<18小節目> B7、E
14小節目と、音は同じですね。
(弾き方が少し違いますが)

<19小節目> F♯m(Bass A)/ D♯m7(♭5)(Bass A)
この小節で変化します。
1〜2拍目までは、13、15、17と同じように見せ掛けて、
3〜4拍目で変化します。(「仏の顔も三度」までですから)

1〜2小節目はF♯m(第1転回型)。
ここまでは同じですが、3拍目で
D♯m7(♭5)(Bass A)に変わります。

基本型「1,♭3,♭5,♭7」(♯レ、♯ファ、ラ、♯ド)の
第2転回型(ラ、♯ド、♯レ、♯ファ)ですね。

左手は「♭5,1,♭3」(ラ、♯レ、♯ファ)、
右手4拍目に「♭7」(♯ド)がありますよね。

ちょっと難しいですか?

「F♯m6」(♯ファ、ラ、♯ド、♯レ)と思ってもいいですよ。

<20小節目> G♯7
そして「G♯7」になるのですが、
ここからの5小節(20〜24)は次回にします。
説明が大変です。

この5小節、結論から先に言うと、すべて「G♯7」です。

「え、何で・・・?」と思うでしょうが・・・。

では、次回をお楽しみに。

terusannoyume at 10:27│Comments(3)TrackBack(0) 愛と感謝の即興演奏法 

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この記事へのコメント

1. Posted by さちぴょん   2007年12月20日 01:56
続きの分析ありがとうございます♪ ♯系の短調がどうも苦手だったのですが、少しずつ見えてきました。こうして見ると、本当に緻密に音が選ばれて美しく響くように作られているのですね、感激です(ToT)
そして次はいよいよ21小節目からの「?!」な部分に突入なのですね! 21〜24は、まるごとなくても次につながる部分なのかな、なんて思ったのですが、ここ全てG♯7になるわけですか? 声部ごとに半音ずつ上がったり下がったりしていますよね…(-"-) どんな分析になるのか楽しみにしております☆
2. Posted by さちぴょん   2007年12月20日 02:30
「幻想即興変奏曲」も面白そうですね! 今週末のクリスマス・パーティーでカプースチンの24プレリュードから2曲(9番と23番)を弾くことにしまして、今はそれらを練習するだけでやっと、という状態なので、終わったら早速挑戦してみますね☆
23番はテル先生の分析のおかげで、だいぶ譜読みは楽だった気がします。テンポが上がると演奏はなかなか大変ですが(^^ゞ
カプースチンの良さが少しでも伝わる演奏ができたらいいなと思っています。
3. Posted by テルさん   2007年12月20日 06:47
 クリスマスにカプースチンですか!いいですね。ぜひ「良さ」を紹介して下さい。それと、パーティーの時こそ「幻想即興変奏曲」をやって欲しかった。もっと早くから書けば良かったですね。でも別の機会があるでしょうから次回には弾けるようにして下さい。「変奏」の話もまだまだ続きますからね。全部読んでから発表した方がいいです。
 もちろん本編の「分析」も続きます。今度は問題の小節ですね。ショパンってやっぱスゴイ人です。当り前だけど。
 分析して1人で感動しています。みんなにも早く教えなくっちゃね。 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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