2007年08月26日

ピアノがつまらなくなった時(2)

子供は、どの様な時にピアノのお稽古が
つまらなくなるのでしょうか?

ここに1つの例があります。
以前、紹介した本からです。

「変光星」〜自閉の少女に見えていた世界〜
 森口奈緒美     花風社

著者が幼稚園児の時、自宅で
電子オルガンの先生にレッスンを受けた時のこと。
(32ページから引用します)

            ☆

〜その先生は、弾くとき指の形が悪いと言って、
厳しく叱るばかりだったし、一方、私の方はといえば、
音が出ればいいんじゃないの?ぐらいに思っていたが、
鍵盤というものは、どうやら指を伸ばして弾いては
いけないものらしい。
 先生は「基本が大事」と言っては、
何度も指の形や運指を注意したが、
私の指はいっこうに言うことを聞かなかったから、
痺(しび)れを切らした先生を苛立(いらだ)たせた。
 私は楽しくない音楽は大嫌いだった。〜

           ☆

これって難しい問題だよね。
どちらの言い分も理解出来るから。
心苦しいなあ。

幼稚園児なんだから、つまらないことは、
やりたくないよね。
音楽は楽しいから「大好き」になる。

運指の大切さを説明してもわかるかな?
頭で理解しても、なかなか出来なくて
怒られ続けるんだよ。やめたくなるよね。

一方、先生としたら、
「子供の時にこそ、しっかりした基礎を」
と思ったんだよね。

でもさあ、
本人や母親が「プロになる訳じゃないから」
と言ったとしたら、方針をコロッと変えて、
指のことは無視して好きな曲ばかり弾かせて
楽しませておけばいいの?

「プロじゃないから、適当でいいの?」
だって10年後「プロになりたい」って
本人が言うかもしれないよ。
その時は、変なクセが付いているんだよ。

それで、本人はショックを受けて先生に訴える。
「何でちゃんと直してくれなかったの」と。
先生は、
「あなたのお母さんが、プロになる訳ないから、
そこそこのレッスンでいいと言ったのよ」

これでは、母親は子供に恨まれ、先生は後味悪い、
何と言っても本人はショックで、みんなが悲劇だ。

指導者としては、この子が将来、難しい大曲や、
速いフレーズを弾く時のことを考えて、厳しく
教えてくれたんだよね。(好意的に取ればね)

でも、現実は、その時に、子供は「いやだ!」
「嫌いだ!」と思っている。
このままでは音楽が嫌いな人になってしまう。

「ああ、一体、どうすればいいの?」
「あなたなら、どうする?」
優しく教えてあげれば良かったのかな?

でもね、何10回注意しても出来ない生徒だよ。
あなたは<イライラ>しませんか?(本音は?)
教えたことある人なら、納得すると思うけれど。

こんな時に<イライラ>しない先生は、偉い方です。
余程、霊格の高い方(菩薩さま)。
日本全国を探しても「数人」しかいないでしょう。
いや「千人」しかいない、あ!漢字間違えちゃった!
「仙人」しかいないでしょう!(悟りを開いた方)

「ああ、くだらない冗談!」
(実際には、全国に優しい先生が沢山いますよ)。

それから、
「怒り」を無理に押さえ込んじゃダメだからね。
自分が「ストレスで病気に」なっちゃうもんね。
自分の調子がよくないと、余計にイライラする。

そこでね、私が「良い方法」を考えたんです。
どちらにも「ストレスなし」に楽しめる方法。


♪「ピアノがつまらなくなった時」(3)へ続く

terusannoyume at 02:32│Comments(0)TrackBack(0) 心の障害?才能だよね! 

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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