2007年05月21日

美しいアドリブ・フレーズとは?

アドリブ・フレーズ、きれいなラインとは?

あなたに、美しいフレーズ(メロディー)を
弾いてほしい。感じてほしい。

今回は、カプースチン「応用編」です。
カプースチンの曲集をそのまま弾くだけではなく、
自分の音楽に応用することも学びましょう。
曲集を弾けない人でも、これなら出来ます。

教材は、カプースチン、
「24のプレリュード 作品53」(全音版)

このブログで連載している
カプースチン「24プレ」第23番(解説1〜)を
まだ読んでいない人は、
そちらから先に学んだ方がいいですよ。

教材(曲集)98ページ、
上から2段目、3小節目と次の小節です。

構成、コード進行をすでに書き込んでいる人、
解説を読んだ人は、
「第23番」<2コーラス目>[ A 2]46〜47小節目。

では、始めましょう。

             ☆

46〜47小節目のフレーズを2倍の長さに書き直します。
つまり16分音符を8分音符にしますので、
曲集では2小節ですが、
あなたのノート(五線紙)では4小節になります。

1小節目 「Cm7」
最初に8分休符を1つ。1拍目の裏拍から
残り7つの音を「8分音符」で書き直します。
「(ン)、ファ、ミ、レ、♭ミ、ソ、♭シ、レ」
この様になります。(ン)は8分休符。

2小節目 「F7」 (C♭7=B7)
楽譜では「F7」の代理コード「C♭7」ですが、
元の「F7」にします。
16分音符(8つの音)を、
「8分音符」に書き直しましょう。
「ファ、♭レ、ラ、♭ソ、ファ、♭ファ(ミ)、♭ミ、♯ド」

3小節目 「B♭M7」
「レ、ファ、ラ、ド、ソ、ソ」を
全部「8分音符」で書いて下さい。
4拍目は、4分休符ですね。
フレーズは、これで終りです。

4小節目 「B♭M7」または「G7」など。
フレーズは3小節で終っていますが、
4小節の感覚を身に付けるために
左手コードだけ弾いて拍子を感じていること。
(3小節単位で進んでいく曲はありません。
2,4,8小節単位で普通の曲は出来ています。)

1〜4小節を繰り返す場合は、
「G7」などを弾いてもいいです。
理論がわかる人は自分なりに工夫して下さい。

<フレーズ分析>
フレーズの構成音は、どの様な音を使っているのか、
理論的に理解しましょう。

「Cm7」
「4,3,2,♭3,5,♭7,9、」
最初の4つの音が重要でしたね。
以前の記事「解説3」を読んで下さい。

「F7」
「1,♭13,3,♭9,1,♭1(M7),♭7,♯5」
テンション(♭13,♭9)を使ったジャズらしいフレーズ。
「1」と「♭7」の間にある音「M7」は、経過音。
最後の「♯ド=♯5」は、
次の小節「レ」に半音下から解決する音。

「B♭M7」
「3、5、M7、9、6、6」
「Cm7」終り4つの音(♭3,5,♭7,9)に対して、
「B♭M7] 始めの4音(3,5,M7,9)が対応しています。

<左手のコード>
ルートを省略したジャズの典型的なコードを
このフレーズと一緒に覚えましょう。
「Cm7」
「♭ミ、ソ、♭シ、レ」=(♭3,5,♭7,9)
「F7」
「♭ミ、ラ、♭レ」=(♭7,3,♭13)
「B♭M7」
「レ、ファ、ラ、ド」=(3,5,M7,9)

<フレーズの輪郭>
「Cm7」
装飾的な下降から始まり、すぐに上昇、
「F7」
1オクターブ以上の大きな下降、
「B♭M7」
7度の音域を上昇し、すぐ下降で終る。

ほとんどの人は、輪郭まで意識しないと思います。
このジグザグの輪郭をよく味わって下さい。

きれいなフレーズとは、音の並べ方と、
全体の輪郭が大切な要素です。
(他にもありますが)

♪「枯葉」で使おう!
両手で弾けるようになったら、
実際の曲に応用しましょう。
キーGmで「枯葉」を弾けば、
このフレーズと左手コードが使えます。

♪12キーに移調して練習しよう。
キーCを最初に書いてから、他のキーに移調すると
分かり易いですよ。(Dm7 G7 CM7)

「Dm7」
「(ン)、ソ、♯ファ、ミ、ファ(ナチュラル)、ラ、ド、ミ」
「G7」
「ソ、♭ミ、シ、♭ラ、ソ、♯ファ、ファ(ナチュラル)、♯レ」
「CM7」
「ミ、ソ、シ、レ、ラ、ラ、(ウン)」

          ☆

きれいなフレーズを
自分で考えられるようにするには、
美しいフレーズを繰り返し弾いて、
どこが(何の要素が)きれいなのかを
常に研究することです。

terusannoyume at 12:57│Comments(2)TrackBack(0) 「カプースチン」分析研究 

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この記事へのコメント

1. Posted by ユズママ   2007年05月24日 22:13
昨日「カプースチン24のプレリュード」の楽譜を手に入れました!イヤー、、難しすぎる〜〜〜♪でも本の解説者の方もも書いていましたが、楽譜を読める人なら練習すれば必ず弾けるようになるって、、^^☆弾けそうなのはと見たら、2番が遅ければ弾けそうでしたのでちょっと練習してみました。音の使い方が確かにジャズ!!の音使い。弾けるようになりたい!!と思いました。このブログの最初から追って頑張ります♪
2. Posted by テルさん   2007年05月25日 11:00
本当に難しいですよね。最初はゆっくりなテンポで練習して少しずつ速くしていけばいいと思います。楽譜だけでは本当の「すごさ!」はわかりませんので、ぜひ本人のCDを聴いて下さい。カッコいいですよ。がんばって練習すれば何曲かは弾けると思います。仮に弾けなくても部分的に応用する方法も書く予定です。ちょうど今回の記事のように応用出来るところが沢山あります。少しずつ練習と学習を続けて下さい。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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