2007年05月19日
カプースチン「24プレ」第23番(解説2)
カプースチン(KAPUSTIN)研究、解説
「24のプレリュード 作品53」(全音版)
「第23番」徹底分析
今回は<2コーラス目>[ A1]37〜44小節の解説です。
8小節のコード進行は、すでに書き込んでいますよね。
まだの方は、以前の記事を参考にして下さい。
1コーラス目も学んでから、この続きを読んで下さい。
それでは始めましょう。
<2コーラス目>
[ A1]37〜44
|| F(Bass A) A♭dim G dim F | Cm7 C♭7 |
| B♭M7 Cm7 C♯m7 Dm7 | E♭7(4) E♭7 |
| C7 /F7 C♭7 |B♭7 A7 | A♭m7 D♭7 | Gm7 / C7 G♭7 ||
☆
[ 37 ] F(Bass A) /A♭dim / Gdim / F
本来は「FM7」が1つの小節。(1コーラス目[ 1 ]を参照)。
1拍目と4拍目のコードは「 F 」 です。
ベース音は「F」の第3音「ラ」から始まり、
4拍目の「ファ」(ルート)に向かって
経過音(♭ラ、ソ)を使っています。
このベース・ライン(ラ、♭ラ、ソ、ファ)は、
[ 20 ] AM7 のベース・ラインの逆ですよね。
分かり易くするために「AM7」のベース音を
「FM7」に移調しますと「ファ、ソ、♭ラ(♯ソ)、ラ」。
このラインを逆から読むと「ラ、♭ラ、ソ、ファ」。
本来1つしかコードがない場合に、ベースを設定し、
各音の上にコードを付け変化させているのです。
2〜3拍目は、装飾的なコード。
まず、3拍目から先に考えます。
「 G dim 」 は 正確に書くと「C7(Bass G)」です。
「 F 」 に解決する「ドミナント」。
ルート(C=ド)はありませんが、ミ=3、♭シ=♭7が
「C7」の機能を証明する「三全音」です。
次に2拍目のコードは、3拍目「C7」へ行くための「G7」。
その代理「D♭7」と考えてもいいです。
各声部が半音上から「C7」に解決していますから、
半音上のコードは「D♭7」と単純に考えてもいいです。
2〜3拍目を正確に書くと
D♭7(Bass A♭) C7(Bass G)
になりますが、複雑になります。
そこで、ベース音をコードのルートと解釈して
「A♭dim」と「Gdim」で書いたのです。
頭のなかで機能は「G7→C7→F」と
理解していればいいのです。
[ 38 ] Cm7 C♭7
「F7」の代理で「C♭7=(B7)」が使われています。
[ 39 ] B♭M7 / Cm7 / C♯m7 / Dm7
本来は「B♭M7」だけです。1コーラス目[ 3 ]参照。
[ 20 ] と比べて下さい。同じですよね。
2〜4拍目は装飾的なコードです。
[ 40 ] E♭7(4) E♭7
1コーラス目[ 4 ] ではベース音「♭シ=B♭m7」でしたが、
ここではベースに「♭ミ」を使っていますので、
コードは「E♭7( sus 4)」( sus は省略していますが)。
「D♭ ( Bass E♭ ) 」と書いてもいいです。
[ 41 ] C7 / F7 C♭7
1拍目は第1転回形なので「ミ」が1番下ですね。
これは前の小節が「♭ミ」ですので半音上がって
スムーズに進行させるためです。
4拍目「 C♭7 」 は 「 F7 」の代理コード。
[ 42 ] B♭7 A7
「 A7 」 は「 E♭7 」の代理です。
[ 41]〜[43] のコード(ルート)は、
完全4度進行です。
( C、F、B♭、E♭、A♭、D♭)
「E♭7」に代理を使いましたので、
その前後は半音下行になります。
(B♭→A→A♭)
[ 43 ] A♭m7 D♭7
4拍目、最後の2音(レ、ラ)は、
次の小節「Gm7」の5,9です。
[ 44 ] Gm7 / C7 G♭7
4拍目「 G♭7 」 は 「 C7 」の代理コード。
☆
この続きは「解説3」として新たに投稿します。
「24のプレリュード 作品53」(全音版)
「第23番」徹底分析
今回は<2コーラス目>[ A1]37〜44小節の解説です。
8小節のコード進行は、すでに書き込んでいますよね。
まだの方は、以前の記事を参考にして下さい。
1コーラス目も学んでから、この続きを読んで下さい。
それでは始めましょう。
<2コーラス目>
[ A1]37〜44
|| F(Bass A) A♭dim G dim F | Cm7 C♭7 |
| B♭M7 Cm7 C♯m7 Dm7 | E♭7(4) E♭7 |
| C7 /F7 C♭7 |B♭7 A7 | A♭m7 D♭7 | Gm7 / C7 G♭7 ||
☆
[ 37 ] F(Bass A) /A♭dim / Gdim / F
本来は「FM7」が1つの小節。(1コーラス目[ 1 ]を参照)。
1拍目と4拍目のコードは「 F 」 です。
ベース音は「F」の第3音「ラ」から始まり、
4拍目の「ファ」(ルート)に向かって
経過音(♭ラ、ソ)を使っています。
このベース・ライン(ラ、♭ラ、ソ、ファ)は、
[ 20 ] AM7 のベース・ラインの逆ですよね。
分かり易くするために「AM7」のベース音を
「FM7」に移調しますと「ファ、ソ、♭ラ(♯ソ)、ラ」。
このラインを逆から読むと「ラ、♭ラ、ソ、ファ」。
本来1つしかコードがない場合に、ベースを設定し、
各音の上にコードを付け変化させているのです。
2〜3拍目は、装飾的なコード。
まず、3拍目から先に考えます。
「 G dim 」 は 正確に書くと「C7(Bass G)」です。
「 F 」 に解決する「ドミナント」。
ルート(C=ド)はありませんが、ミ=3、♭シ=♭7が
「C7」の機能を証明する「三全音」です。
次に2拍目のコードは、3拍目「C7」へ行くための「G7」。
その代理「D♭7」と考えてもいいです。
各声部が半音上から「C7」に解決していますから、
半音上のコードは「D♭7」と単純に考えてもいいです。
2〜3拍目を正確に書くと
D♭7(Bass A♭) C7(Bass G)
になりますが、複雑になります。
そこで、ベース音をコードのルートと解釈して
「A♭dim」と「Gdim」で書いたのです。
頭のなかで機能は「G7→C7→F」と
理解していればいいのです。
[ 38 ] Cm7 C♭7
「F7」の代理で「C♭7=(B7)」が使われています。
[ 39 ] B♭M7 / Cm7 / C♯m7 / Dm7
本来は「B♭M7」だけです。1コーラス目[ 3 ]参照。
[ 20 ] と比べて下さい。同じですよね。
2〜4拍目は装飾的なコードです。
[ 40 ] E♭7(4) E♭7
1コーラス目[ 4 ] ではベース音「♭シ=B♭m7」でしたが、
ここではベースに「♭ミ」を使っていますので、
コードは「E♭7( sus 4)」( sus は省略していますが)。
「D♭ ( Bass E♭ ) 」と書いてもいいです。
[ 41 ] C7 / F7 C♭7
1拍目は第1転回形なので「ミ」が1番下ですね。
これは前の小節が「♭ミ」ですので半音上がって
スムーズに進行させるためです。
4拍目「 C♭7 」 は 「 F7 」の代理コード。
[ 42 ] B♭7 A7
「 A7 」 は「 E♭7 」の代理です。
[ 41]〜[43] のコード(ルート)は、
完全4度進行です。
( C、F、B♭、E♭、A♭、D♭)
「E♭7」に代理を使いましたので、
その前後は半音下行になります。
(B♭→A→A♭)
[ 43 ] A♭m7 D♭7
4拍目、最後の2音(レ、ラ)は、
次の小節「Gm7」の5,9です。
[ 44 ] Gm7 / C7 G♭7
4拍目「 G♭7 」 は 「 C7 」の代理コード。
☆
この続きは「解説3」として新たに投稿します。
- ブログネタ:
- 本物の音楽家になるために に参加中!