2007年02月24日

ピアノを美しく響かせる(2)

以前、このタイトルで記事を書きました。(2月1日です)
実は、あの時、前書きだけで終ってしまったのです。
「ピアノに話し掛ける」という話です。
覚えていますか?
今回は、本題の「タッチ」「音色」の話です。

ジャズピアノ学習者は
「アドリブをいかにカッコよく弾くか」などに気を取られて
「ピアノを美しく響かせること」など考えていないかもしれません。
あるいは余裕がないかな?
クラシックの人は当然意識しているテーマだと思います。
「音色まで余裕がない」という人も、話だけは聞いておいて下さい。
ピアノ学習者は、ジャンルに関係なく大切な話ですから。

          ☆

「タッチ」「音色」の話は私の専門ではありませんので、
詳しいことはクラシックの先生に指導してもらったり、
本などで学んで下さい。

私の場合の話をします。

私の演奏活動は、コンサート、ライヴ、レコーディングなど
すべてピアノ・トリオです。
ジャズ・ピアノ・トリオの編成というと、
普通はピアノ、ウッドベース、ドラムです。
常にドラムがいる。
つまり「ドラム相手にピアノを美しく響かせる」こと。
これが私の課題なのです。

少し話が関係のある横道に行きます。

私は趣味でドラムをやっています。
多くのドラマーは「ドラムはパワーだ」と考えているのでは?
私のドラムは上手くはありませんが、
常にドラムのタッチを考えて叩いています。
トップシンバルをいかに美しく響かせるか?
スネア、タムタム、バスタムなどを綺麗な音で叩く。
そんなことを考えているのです。

私が東京音大付属高校の打楽器科に入学した話、
以前このブログで話しましたよね。
この時も、例えばトライアングル。
小学校で使うものより大きいです。
トライアングルなんて誰でも叩けると思いますよね?
でもね、綺麗な音を出せるかというと、
やはり練習しないと出せません。

大きなシンバルを片手に1枚ずつ持って「ジャーン」と合わせる。
こんなもん、サルでも出来ると思いますよね。
だって、オモチャでありますもんね。
あれも「美しく一発!」というと、何十回も練習しないと出来ません。
そういえば、音大の定期演奏会、オーケストラでやりましたよ。
長い曲で、最後の方で一発だけ出番があります。
そこで叩かなかったら、何のために何ヶ月も練習し、合宿まで行き、
本番でもずっとステージで座ってみんなの演奏を聞いていたのか、
すべての意味がなくなってしまうのです。
緊張の一瞬です。
「ジャーン」
上手くいきました。ホッとしました。
でも、この日の出番は、たったこの一発。
悲しい!ヴァイオリンやっておけばよかった!

     ☆      ☆

こんな経験が先にあったからなのか、
ピアノでも、たった1音を「コーン」と弾いて
その音の残響が消えてなくなるまで聴いている。
そんな練習を繰り返しました。
ドラム相手だからといって、力ずくではダメです。
コツは、腕の重みを利用する。
指先が鍵盤に触れる瞬間だけ力が入りますが、
音が出た後はもう力を抜いている。
鍵盤の少し上から腕を落とす。
指先の一点に腕の重みが掛かる。
すぐ力を抜く。

女性のハイヒールで足を踏まれたら痛いですよね、きっと?
全体重が踵の一点に集中するのですから、ものすごい力です。

スティックでシンバルを叩くのも、トライアングルを響かせるのも、
野球のバットでボールをジャストミートで叩くと、ボールが遠くまで
飛んで行くのも、すべて共通するような気がします。

上手く説明出来ませんが、自分で研究してみて下さい。

余裕のない人も、今の段階では「出来る」「出来ない」よりも
音色まで「意識している」「していない」「考えたこともない」では、
あなたの今後の演奏が違って来ます。
余裕が出来たら、いつか挑戦しましょうね。

terusannoyume at 05:24│Comments(5)TrackBack(0) テクニック向上を目指して 

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この記事へのコメント

1. Posted by 一番弟子?です。   2007年02月24日 13:36
また来ました。Y.Kです。

32年前、先生に習っていたときの事です
が週一回のグループレッスンの後、毎回のようにスタンダード曲のリハモニゼーションを教わりました。
先生も良く憶えてない曲があると翌週までに調べてきて下さったこともありました。

ですから私は他の生徒には申し訳ないですが一年間で二年間分のレッスンを先生からして頂いたことになります。

一曲だけ私の付けたコードに「Y君、これもらった」と言って下さったのが「When Sunny Gets Blue」の出だしの「Gm7/C7」を「Gm7/Am7」にしたところでした。今思えば「Autumn in New York
」の出だしと同じだったんですが・・・。
2. Posted by 一番弟子?です。(つづき)   2007年02月24日 13:38
私がプロのミュージシャンになって一番苦労したことはリズムです。いわゆる「走る」(テンポが速くなってしまう)タイプでした。
ですからこのブログの課題を弾くときも必ずメトロノームでアフタービートを鳴らしながら練習するとアンサンブルするときに有効だと思います。メトロノームひと目盛り変わっただけでもかなり乗り方も変わってきますよね。(すべて私の実体験から)

私も30年あまりジャズピアノを細々と教えていますが先生のブログを見てつくづく坂元流を受け継いでいるなと強く感じております。

追伸:毎朝犬の散歩で先生の2軒先のビル前まで行って帰ってきます。今朝も行ってきました。Y.K
3. Posted by テルさん   2007年02月25日 09:04
コメント、ありがとう。これからも、たまに書き込んで下さい。プロの人の体験談は、みんなの役に立ちますからね。それにしても、もうそんな昔の話になるんですね。レッスンが終わってからも教えていたなんて全然覚えていません。覚えているのは勉強熱心で優秀な生徒だったことです。これからもコメントよろしくね。
4. Posted by 景   2007年02月26日 15:23
こんにちわ〜
音色は歌と一緒だと思っています。気持ちの込め様で色や流れ方が変化するし伝わりが違ってくるので1番神経を使うところかもしれません。最初は気ひとつで向かい合っていた「音色」でしたけど段々と意識していくうちに 「鍵盤への指の入り方」(向きといいますか)にこだわるようになってきました。
フィギアスケートの真央ちゃんが ジャンプの瞬間の氷の蹴り方、入り方の差で全てがかわるって話していたのを聞いたこともありますが ピアノも鍵盤と指の関係が大きいなと感じています。何事も偶然じゃなくって必然で出来ているんだなって思います。
垂直な向きで打鍵するとグっとしまった音 撫で引っ張りながらの入り方。1音でも小さな波がクっともどってくるように手首をかえすように動かしては重心をもどしてきたりすると 1音ずつに意味と魂が生まれるな なんて感じながらこだわってます 
5. Posted by テルさん   2007年02月28日 03:35
景さん、いつもありがとう。
「ケイチャンブログ」から何人かの人が来てくれました。気に入ってくれた人もいて大変嬉しいです。
最近はピアノのテクニックの本、教則本、DVDなどを見たりして研究しています。このコメントも参考にしたいです。また教えて下さいね。

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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