2007年02月05日

指強化アドリブ上達法(1)

指を強化しながら、アドリブの練習が出来る方法です。
これは面白いです。強力です。しかも奥が深いです。
最近、私が楽しくて楽しくて仕方ないと言っていた、
ハノン海賊版、違った!改良版。いや「ハノンのジャズ化」です。

このブログに初めて来た方で
「何だハノンか、つまらなそうだから他のブログへ行こう」
と思った方。ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい。

これは本当にカッコいいんです。
楽しくて、指も動くようになる。
ぜひ、じっくり読んで試して下さい。

あなたは、このブログを読んで良かったと思いますよ。

          ☆

まず、ハノンの1番、みなさん復習していますよね。
まだの人は少し練習して下さい。

私はハノンの中にある「分散和音」も練習しているのですが、
右手4と5の指で3度音程を弾かなくてはいけない時があります。
そこでハノン1番を改良しました。

「ドミファソ[ラ]ソファミ」の1番高い音[ラ]だけを[シ]の音に変えました。
そうすると
「ドミファソ[シ]ソファミ」ですね。
2小節目は「レファソラ[ド]ラソファ」、
以下、同じ音型で上がって行き
「シレミファ[ラ]ファミレ」まで来たら
そのままの音型で下がります。
「ラファミレシレミファ」
「ソミレドラドレミ」以下同じように。

以前、言いましたように左右の手は2オクターブ離して弾きます。
当然12キーで、出来るだけ速く。
私は、こうして右手4と5の指を強化していました。
そして、ひらめいたのです。

     ☆        ☆

「ハノン1番による変奏ジャズ即興曲」(作品1)

左手は、ずっと止まらずに
「レファソラドラソファ」(Dマイナー・ペンタトニック)
を4分音符で弾き続けます。(2小節になりますね)
ハノンに書いてある音域で、
4ビートのベースをイメージして弾きましょう。

では「テーマの練習」を始めます。
テーマは16小節です。
左手は4分音符ですから「レファソラ」が1小節目、
「ドラソファ」が2小節目です。
左手は、この2小節をずっと繰り返して下さい。

さて、右手です。
左手と同じ音を2オクターブ離して3回繰り返す。(1〜6小節)
7小節目は「レ」全音符。8小節目は休み。

次が問題です。今度は右手が左手の10度上を弾きます。
「ファラシドミドシラ」を4分音符で3回。(9〜14小節)
15小節目は「ファ」全音符、16小節目は休み。

これがテーマです。
この間、左手は「レファソラ」「ドラソファ」(2小節)を弾き続けます。

そして、この後、右手は「アドリブ・コーラス」になります。
使う音は、「レファソラド」(Dマイナー・ペンタトニック)。
8分音符を中心にしてアドリブして下さい。
いきなり8分音符は無理だと言う人は、4分音符でもいいです。

8分音符が出来た人は、3連符で弾く。
さらに、次の段階は16分音符です。
私は当然ですが、16分音符で弾きまくっています。

しばらくアドリブして、やめたくなったらテーマに戻ります。
右手のテーマが終っても
左手だけは繰り返し弾き、少しずつ音を小さくして、
最後は「レ」の音で終ります。

     ☆     ☆     ☆

どうですか、出来そうですか?

上級者は、これを半音ずつ上げて12のキーでやりましょう。
(私は当然ですが12キー、16分音符で弾けます)。
そうすると、マイナーペンタトニックを12キーでマスター出来ます。
将来、あらゆるコードで(モードでも)応用出来、世界が広がります。
上級者には、この「深い意味」が想像出来るでしょうから
今は、あえて説明しません。

初心者でも、出来ましたら「この課題」(Dマイナー)と
「半音上のキー」(E♭マイナー、全部黒鍵)で
弾けるようにしましょう。(たった2つのキーでもいいのです)
そうすると、ジャズのモード奏法の代表曲「ソー・ホワット」や、
コルトレーンの「インプレッションズ」が弾けるようになります。
今は何のことか、意味はわからなくても、
「将来、何か得するのかな」と思ってくれればいいです。

       ☆       ☆

次回は、さらに、もっともっとカッコいいですよ。
その準備が今回の課題です。
この課題が出来なければ、次回の課題は手が出ません。
みなさんは、それぞれの段階で、弾ける範囲のことをやって下さい。

この課題は、私自身の復活ライヴ(今週8日)のために
昔のテクニックを取り戻したくて考えた練習です。
私が「楽しい楽しい」と言って練習している一部を公開しただけ。
これが出来ないからといって、決して落ち込むことはありません。
基本的なコードやスケールの練習を各自のレベルでやって下さい。

では、楽しんで(苦しんで?)練習しましょう。
「明るい未来を目指して!」

terusannoyume at 00:55│Comments(2)TrackBack(0) テクニック向上を目指して 

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この記事へのコメント

1. Posted by Masato   2007年02月06日 11:37
"おはようございます”。今回の課題、早速ためしてみました。なかなか楽しめて面白いです。しっかり、曲になっていますね。残念ながらなぜ10度上という部分の理解がよく出来ていません。なんとなくわかるのですが。これは、メールで質問した方が良いですね。
2. Posted by テルさん   2007年02月06日 18:50
Masatoさん、いつもありがとう。
質問の意味がよく理解出来ないので、これが答えになっているかわかりませんが、理由はいくつかあります。
まず、10度上を加えることにより全体が「ドリアンになる」という理由。
別の理由は、普通の曲で右手コードの1番下に第3音が来た時、左手ベース音(ルート)は10度下に持って来る。
まだ理由はありますが長くなります。
これで答えになっているでしょうか?

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プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
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