2020年10月

2020年10月16日

4度和声を再び研究

「4度和声を研究しよう」という話を
以前した。(2020年09月22日の記事)

その時はよくわからなかった人も
最近書いた「ヒメノ分析」を読めば、
何となくわかってきたのではないかな?

対象は上級者(または中級)だけれど
もう1度挑戦するといい。

ジャズ・コードの使い方が進歩する。
音楽の幅が広がると言ってもいい。

3種類の4度和声、それぞれを12キーで、
何のコードとして使えるかを考えていく。
どれが使えて、使えないか。
「その結果は人によって違ってくる」
と以前の記事で書いた。
その人が
どの程度理論を理解しているか、
コードの1音1音をどう解釈するか、
それによって答えが違ってくる。

以前このように書いた意味が、
「ヒメノ分析」で解説した
「Dm7」(ファ、♭シ、♭ミ)を読むと
理解出来ると思う。

普通の人は「この押さえ方は使えない」
と判断する。
でも、よく考えると使えることを発見する。

これが「結果は人によって違ってくる」
ということなんだね。
だからいろいろなことを知っている人が
幅広い視野で研究すると得るものが大きい。


terusannoyume at 23:31|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月15日

「ヒメノ」楽曲分析12

長年ジャズを教えて来たけれど、
こんなことは考えたこともなかった。
「ヒメノ」を分析して良かった。

作曲者はこんなふうに考えて
作ったのではないと思うけれど、
たった1つのコードを見て、
そこからいろいろな可能性を考えて、
新たな発見をすることは、
とても面白いことだ。

これからも分析を続けよう。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(12)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

通常のジャズ理論では、
キーCで「Dm7」のスケールは
ドリアンを使う。
全部の音が白鍵なのでよく合うからだ。
そこで「フリジアン」(PHRYGIAN)を
使うなんて普通は考えられない。

しかし、よく考えてみると
「これもありかな」と気が付いた。

キーCで「Dm7」の前後に来る
コードを考えてみよう。

まず「Dm7」の前に来るコードは
この曲のイントロのように「A7」
が来る場合が多い。

|C|A7|Dm7|G7|

この「A7」には
オルタード・スケールを使うことが多い。

次に「Dm7」の後に来るコードは
ほとんど「G7」が来る。
この曲のイントロでもそうなっている。
そして、このコードには(通常では)
ミクソ・リディアンを使うけれど、
オルタードも使う。
この曲でもオルタード系のコードになっている。

つまり「Dm7」の前後のコードに
オルタード・スケールを使うと、
どちらのコードにも
「♭シ」と「♭ミ」が含まれている。

「A7」では
「♭シ=♭9」「♭ミ=♭5」

「G7」では
「♭シ=♯9」「♭ミ=♭13」
ということになる。

それなら、この2つのコードの間にある
「Dm7」でも「♭シ」と「♭ミ」が
使えるのではないか?

そう思って、早速実験を開始した。
この特殊な使い方が自然に聞こえるように
前後のコードの押さえ方、フレーズなどを
工夫して弾いてみたところピッタリ合った。

通常の「Dm7」のジャズ・コード
「ファ、ラ、ド、ミ」は使えない。
それは当然のことで、
「ミ=9」を「♭ミ=♭9」にしたからだ。

今まで何回も言ったように、
今回の話は
上手く使える人以外はやらない方がいい。
特にセッションなどでは絶対に合わない。

もし使いたい場合は、
ソロ・ピアノで、自然に聞こえるように、
(曲全体がこの雰囲気に合うような)
本格的なジャズのオリジナルで使うなら
いいと思う。

そのためには
各自がじっくりと研究することだね。
健闘(検討)を祈る!

(続く)


terusannoyume at 20:58|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月14日

「ヒメノ」楽曲分析11

今回は普通のジャズ理論書には書いてない、
スケールの特殊な使用法ですので、
上級者対象の話です。
それから初級〜上級に関係なく
セッションなどでは
<絶対に使用しないで下さい>
他のメンバーの音とまったく合いませんので、
自分だけ間違えていると思われてしまいます。

それでは危険な(要注意の)使用法の内緒の話!
決して読んではいけないヒメノ(秘めの)理論?

「スタートです!」

パスカル・ヒメノ楽曲分析(11)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

前回は7小節目「Dm7」について、
「なぜこの押さえ方が使えるの?」
 という話を課題にしましたが、
あなたは答えを見付けたでしょうか?

右手コード、
下から「ファ、♭シ、♭ミ」が
なぜキーCの時の「Dm7」で
使えるのか?

「♭シの音は何?」
「♭ミの音は何?」
「使うスケールは何?」

上記が前回の課題でしたね。

通常のジャズ理論では、
キーCで「Dm7」のスケールは
ドリアンなので「♭シ」「♭ミ」はない。

しかし上記の2音を実際に使っているので、
ドリアンの2度と6度の音を書き変えてみる。

「レ、♭ミ、ファ、ソ、ラ、♭シ、ド」

さて、このスケール名は?

これは普通のジャズ理論書に出て来るよね。
すぐにわかったでしょう?

「フリジアン」(PHRYGIAN)だよね。

これで課題の答えは以下のようになる。

「スケール名はフリジアン」
「♭シの音は<♭13>」
「♭ミの音は<♭9>」
<注>「♭ミ」は一般的なジャズ理論では
「アボイド・ノート」となっているけれど、
上手く使える方法がわかった人のみ使える。

さて、ここまでが課題の答えだ。

しかし、ここからさらに詳しい解説が始まる。

普通は「沓蹌掘廚了に使うスケールを
なぜ「僑蹌掘廚濃箸┐襪里?

こんなことは理論書には書いてないよね。

しかし、ある条件が揃うと、
「なるほど、これもありかな?」
と思ってしまい大変勉強になった。

「その条件とは…?」

(続く)


terusannoyume at 17:52|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月13日

「ヒメノ」楽曲分析10

今回は
「ここでこんなコードが使えるのか!」
という<驚きのセリフを言う>話です。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(10)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

5〜6小節目の|C|A7|は
1〜2小節目と同じなので省略して、
今回は7小節目の「Dm7」について、
「なぜこの押さえ方が使えるの?」と、
しばらく考えてみる企画になりました。

       ☆

早速、右手コードを見てみよう。
下から「ファ、♭シ、♭ミ」だよね。
注、1オクターブ上の「ファ」は
下の音と同じなのでコードを考える時は
省略して考えよう。

なぜ「ファ、♭シ、♭ミ」が、
キーCの時の「Dm7」に使えるのか?

最初このコードを見た時、
「Dm7(♭5)」を使っているのか、
と思った。
このコードなら
スケールはロクリアンなので
「♭シ、♭ミ」を使える。
(注、通常の理論では「♭ミ」は使えない。
 上級者になって上手く使えば使用可能に)

しかし左手を見てみると、
ルート(第1音)の「レ」の他に
第5音の「ラ」も使っている。
その後の「♭ラ」は次の「ソ」に行く
半音の経過音になる。
ということは、
やはりコードは「Dm7」でいいことになる。

通常のジャズ理論では、
キーCで「Dm7」のスケールは
ドリアンなので「♭シ」「♭ミ」はない。

「じゃあ、このコードはどうなってるの?」

さて、ここであなたへの質問です。

「♭シの音は何?」
「♭ミの音は何?」
「使うスケールは何?」

あなたもしばらく考えてみよう。

普通のジャズ理論を知っている人なら
答えがすぐにわかるはずだ。

「そんな使い方があったのか」
と納得すると思う。

解説は次回です。
お楽しみに!

(続く)


terusannoyume at 02:40|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月11日

「ヒメノ」楽曲分析9

今回は4度和声の話ではなく、
特殊な音の使い方を学ぶことになる。
かなり不協和なコードの使い方だ。

上級者のみ対象の話になるので、
初心者はここから引き返した方が
いいかもしれない?(ウソだよ〜)

パスカル・ヒメノ楽曲分析(9)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

今回は4小節目「G7」についてだ。
とても特殊な使い方をしている。

右手コードは下から
「シ、♯レ、ド」
つまり上の「ド」は、下の「シ」から
1オクターブ上の「シ」を半音超えた
「ド」なので「短9度」になる。
その間に「シ」から長3度上の「♯レ」
が入っている。
数字で書くと「3、♯5、4」になる。

まず常識的な話から始める。
「G7」の時に「3」と「4」は
同時に使えない。
「4」を使う時は「3」の代わりに
「4」を使い「G7(sus4)」になる。
そして「4」が「3」に解決して
本来の「G7」になる。
これがポップス、ジャズ、クラシック、
ほぼすべての音楽で常識的な使い方だ。

ここまでは、あなたも知っていることだろう。

ところが、
それはあくまでも基本的な使い方で、
ジャズ・ピアノ上級者になると、
「G7」でメロディーが「シ=3」の時に
長7度下の「ド=4」を隠し味で使う。
(良い子は真似しちゃダメだよ)

以下のような感じで使う。

右手は下から「ド、ファ、シ」で
左手はベース音「ソ」になる。

この右手コードが4度和声の3種類目
「完全4度+増4度」になる。
(他の2種類は、
今回の分析シリーズで
すでに登場していたよね)

注、上記の話は
読まなかったことにしてほしい。
この押さえ方を使うと不協和過ぎて、
ほとんどの人の音楽では
間違えたように聞こえてしまうからだ。
これを使いこなすには曲全体を、
ジャズ・コード中心に使っていないと
違和感があるはず。
「良い子は真似しちゃダメだ」
というのは、そういう意味なんだ。

       ☆

さてさて、前置きが長くなったけれど、
今回の「ヒメノ」のコードは、
さらにスゴくて、上記の「長7度」を
ひっくり返す(転回する)と「短9度」
になるんだね。
これもかなり不協和音程だ。
そして、さらに左手も見てほしい。
最初はベース音「ソ=1」だけれど、
次に「レ=5」を弾いているよね。

この音は右手「♯レ」と「増8度」になる。
異名同音「♭ミ」で書けば「短9度」だよね。

つまり、ここは4つの音の内、
「短9度」の2音を2ヵ所も使っている。
ただし、この二つ目の「増8度」は
2オクターブ離れているので不協和度は和らぐ。

説明が長くなったけれど、
ここは不協和な音が欲しかったんだね。

       ☆

この後、
いよいよ私が「え!?」と驚いて、
「あ、なるほどそういうことか」と
すごく勉強になったコードが登場する。
お楽しみに!
(続く)


terusannoyume at 23:35|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月10日

「ヒメノ」楽曲分析8

今回は
モード奏法などにも応用出来る
4度和声の話の続きだ。

4度和声には
普通の3和音のように転回形があって、
これを使うと可能性がすごく広がる。

今回は4度和声の転回形の使い方。
その実例を学ぼう。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(8)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

今回は3小節目「Dm7」についてだ。

右手コードは下から
「ド、ファ、ソ、ド(1オクターブ上)」
つまり「ド」をオクターブで弾いて、
その間で「ファ」と「ソ」を全音で弾く。

これは何をやっているかというと、
下の3声「ド、ファ、ソ」が
完全4度の和声「ソ、ド、ファ」の
第1転回形なんだ。
上3声の「ファ、ソ、ド」で考えても
元は完全4度の和声「ソ、ド、ファ」
の第2転回形になるよね。

       ☆

今回の話はモード奏法の時に応用出来る。

今後出て来る「ヒメノ」の特殊なコードを
良い子は真似しちゃダメだ。
(特にセッションの時には)

しかし今回の話は
応用出来れば可能性が広がる。

完全4度の和声は移調すれば12種類ある。
ということは、第1転回形も12種類あり、
さらに第2転回形も12種類ある。
合計36種類になるよね。

これをすべて練習して「ソー・ホワット」
などのモード曲に応用して使ってみよう。

       ☆

さて、この後の小節「G7」では
信じられないことをやっている。
お楽しみに!

(続く)


terusannoyume at 16:29|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月09日

「ヒメノ」楽曲分析7

今回は4度和声の話の続きだ。

4度和声を大きく分けると
(以前話したけれど)3種類あったよね。
その1つは前回出て来た。
そして今回は2つ目が出て来る。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(7)

☆「GIMENO」(ヒメノ)
パスカル・ヒメノ楽曲分析
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行は以下のようになっていた。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

今回は2小節目「A7」についてだ。

右手のコードは下から
「♭レ、ソ、ド」で
ベースは「ラ」だから
コードは「A7」になる。

ただし右手コード「♭レ、ソ、ド」の
「♭レ」はジャズでは「♯ド」と書く。
「A7」の第3音は「♯ド」だからね。

では、なぜ「ヒメノ」は「♭レ」で書いたのか?

それは前の小節(1小節目)右手コードが
「レ、ソ、ド」だったので「レ」の音だけ
半音下げて「♭レ、ソ、ド」にしたんだね。
そして、その「♭レ」が
次の「Dm7」の「ド」に半音下行していく。
(レー♭レードと下がるので「♭」で書いた)

縦の積み重ねよりも横の流れを考えているんだ。
その証拠に同じ小節でもベースでは「♯ド」で
書いているよね。
これは次に「Dm7」の「レ」に上がるからだ。

この考え方が「ヒメノ」の特徴で他にも多数ある。

         ☆

さて今回のコードが3種類の4度和声のもう1つ、
「増4度+完全4度」になっているんだね。
でも、このコードはジャズを学んでいる人には
当たり前のコードだよね。「3、♭7、♯9」。

当たり前ではないコードが
この後いくつか出て来るので
お楽しみに。

(続く)


terusannoyume at 23:59|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月08日

「ヒメノ」楽曲分析6

今日から新たに4度和声の話になる。
少し前に
「4度和声を研究するといい」
という話をしたよね。
「4度和声(36種類)の可能性を検討せよ」
という課題だった。

今回は、その具体的な例が出て来る話だ。

ジャズ・ピアノの新しいスタイルを
学びたい人には大切な話になる。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(6)

前回までの曲ではないので注意。
曲集も第2集から第1集になっている。

☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第1集
6曲目「Final」(フィナーレ)

この曲のイントロ(1〜8小節目)の
コード進行を書き出すと以下のようになる。

|C|A7|Dm7|G7|
|C|A7|Dm7|G7|

4小節の繰り返しだが、前半4小節と
後半4小節では押さえ方を変えている。

しかも、あなたが想像した押さえ方とは
かなり違うことをやっている。

ジャズ・ピアノを長年学んでいる人でさえ、
「え!そんなことやっていいの?」という
コードも出て来るので面白くて勉強になる。

では、早速始めよう。

        ☆

まず1小節目のコード「C」から始める。

右手コードを見てみよう。
下から「レ、ソ、ド」の完全4度和声だが、
第3音が(左手にも)どこにもない!

普通の理論では第3音を省略出来ない。
なぜか?

メジャー・コードか
マイナー・コードか、
どちらなのかわからないからだ。

それをここでは(意図的に)
性質をボカシているんだね。

さて、残りの7小節の中には、
まったく想像も出来ないコードが出て来る。

お楽しみに!

(続く)


terusannoyume at 16:20|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月07日

「ヒメノ」楽曲分析5

今回は「平行和声」についての勉強だ。

パスカル・ヒメノ楽曲分析(5)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第2集
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」

第1回目から続いている謎のコードの
補足的な意味もある。

35小節目のコードを見てみよう。
この小節のメロディーは「♭ラ」だよね。
その音が次の小節(36)のメロディー
「♭シ」に向かって全音で上がっている。

36小節目のコードは「G7」で
「♭シ」は「♯9」なので
オルタード系の押さえ方をやっている。
(押さえ方は前に書いた)

その「G7」に向かって前の小節(35)から
全声部を全音で上げるために「F7」を使った。

この35小節目はメロディー「♭ラ」なので
「G7」のコードを付けることも出来た。
「♭9」だからね。
でも、それではメロディー音だけ全音上がって
下3声は次の小節と同じになって変化がない。

それよりも全声部が全音上がるコードを
弾く方が刺激的で面白いよね。

これが平行和声の使い方だね。

このような方法はアドリブ・コーラスで
エヴァンスや他のジャズ・ピアニストも
一瞬(1〜2拍)ならよくやっている。

しかし、こんなに長く(1小節)続けても
変に聞こえないのは音の選び方が成功したのかな?

「F7」の上3声が
「G7」オルタード系の音だったので…。

(続く)


terusannoyume at 23:58|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月06日

「ヒメノ」楽曲分析4

パスカル・ヒメノ楽曲分析(4)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第2集
3曲目
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」
35小節目

第1回目から続いている謎のコード!
今回は、いよいよ解決編になる。

あなたはすでに答えを見付けただろうか?

それでは、解決編スタート!

この曲をよく調べてみると、
謎のコードを本来の「F7」として
使っているところがある。

7小節目を見てみよう。
ここは完全に「F7」として使っているので
謎でも何でもない。ごく普通の使い方だ。
注、実際は前の小節の4拍目裏にある。
これはジャズでもよくやる方法で
次の小節のコードを半拍前で弾く。

同じように23小節目を見てみよう。
ここも「F7」として使っている。
注、23〜24小節目は「F7」だけど、
ここでは別の大問題がある。
そのことについては後日の話題になる。

以上のことで作曲者は例のコードを
本来の「F7」として使っているので、
問題の「G7」は正確の言うと、
「G7」の上に「F7」を乗せている。

普通のポップスやジャズでも
「G7」を(メロディー音によっては)
「G7sus4」にすることがよくある。

「G7sus4」ということは、
「Dm7(BassG)」「F(BassG)」と同じ。

「F(BassG)」がよくやる手なら、
拡大解釈で「F7/G7」があってもいい?

今回は「sus4」ではないけれど。

(続く)


terusannoyume at 23:57|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月05日

「ヒメノ」楽曲分析3

パスカル・ヒメノ楽曲分析(3)
☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード第2集
3曲目
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」

前回の不思議な(謎の)コード!
あなたは理解出来ただろうか?

<右手>
下から「ラ、♭レ、♭ミ、♭ラ」
<左手>ベース「G音」

これは本当に「G7」なのだろうか?

ジャズのコードでも普通は「G7」なら
「3(シ)、♭7(ファ)」があるはず。
どちらか1つぐらい省略したにしても、
両方共ないなんて?

しかも右手コードの
1番下が「ラ=9」で
1番上が「♭ラ=♭9」だ。

そんなことは普通では有り得ない。
「9」が変化したものが「♭9」なので、
両者が同時に存在することはないからだ。

これは本当に「G7」なのだろうか?
  
左手のベース音をよく見ると、
「G音」以外に「D♭音」もある。
この「D♭音」は本来の「G7」
(36小節目)なら「♭5」で
代理コード「D♭7」のルート
でもあるからよくあることだ。

同曲の43小節目を見てほしい。
右手コードは
オクターブ上になっているけれど
左手ベースはここでも同じだよね。

つまり左手は基本的に「G7」だ。

さらに面白いのは59小節目の左手だ。
「ソ、レ」と「♭レ、♭ラ」がある。
これは「G7」の「1,5」と
上記で説明した代理コード「D♭7」
の「1,5」だよね。

だから左手は完全に「G7」を意識して
弾いている。(右手は勿論謎のコード)

もっと決定的なのは51小節目を見てね。

左手で「G(♯5)」(ソ、シ、♭ミ)を
分散和音で3オクターブも弾いている。
「♭ミ」で書いてあるので「G(♭6)」
または「G(♭13)」でもいいけれど、
完全に「G」のコードを弾いているよね。

右手は当然<謎のコード>だよ。

これは本当に「G7」なのだろうか?

「あなたはどう思いますか?」

(続く)


terusannoyume at 23:52|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月04日

「ヒメノ」楽曲分析2

パスカル・ヒメノ楽曲分析(2)

☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード

前回の問題わかったかな?

次のコードのコード・ネームは?
下から「ラ、♭レ、♭ミ、♭ラ」

ジャズ・ピアノを学んでいる人なら
すぐに答えられたと思う。

答えは「F7」だよね。
「ラ(3)、♭レ(♭13)、
♭ミ(♭7)、♭ラ(♯9)」

このコードを右手で弾いて、
左手はベース音「F」を弾く。

これがジャズでは普通の使い方だよね。

ところがね、
「ヒメノ」は普通じゃないんだ。

「いいか、驚くなよ!」

と言ったって、
ジャズ理論を知らない人は
何を言っても驚かないよね?

だってね、
このコードが「F7」だとわからない人は
左手ベースに何の音を持って来ても
「ふ〜ん、そんなものか」と反応がないよね。

テル先生一人だけで
盛り上がっテルみたいだけれど、
ここで答えを発表しよう。

左手「G音」を持って来て、
なんと「G7」として使っているんだ。

「え!ウソでしょう?」

「ウソじゃない。以下を見よ!」

「GIMENO」
演奏会用リズム・エチュード第2集
3曲目
「Swing-i-Au(スウィング・イ・アウ)」
35小節目

普通ジャズコードで
オルタード系の「G7」なら
上記コード「F7」のすべての音を全音上げて、
以下のようになるはず。

「シ(3)、♭ミ(♭13)、
ファ(♭7)、♭シ(♯9)」

作曲者は、
この「G7」を知らないのだろうか?
と思ったが、勿論そんなことはない。
ちゃんと次の小節(36)で使っている。
(注)第3音「シ」を
「♭ド」で書いているけれど。

それでは、この不思議なコードは、
どう解釈したらいいのか?

謎は深まるばかりだ。

(続く)





ヒメノ:演奏会用リズム・エチュード 第2集 (全音ピアノライブラリー)

☆不思議な(謎の)コードを
よい子は絶対に真似しないでね。
セッションなどで使ったら、
みんなから間違えたと思われる。
使うのならオリジナル曲で使う。


terusannoyume at 23:57|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月03日

「ヒメノ」楽曲分析1

パスカル・ヒメノ楽曲分析(1)

パスカル・ヒメノの楽譜とCDを
最近紹介したよね。

☆「GIMENO」(ヒメノ)
演奏会用リズム・エチュード

そして曲を分析していることも話した。

さて、ここでいきなり問題を出そう。
次のコードのコード・ネームは?

下から「ラ、♭レ、♭ミ、♭ラ」

ジャズ・ピアノを学んでいる人なら
すぐに答えられると思う。

私も当然そのように理解した。
と思ったら、
とんでもない結果になった。

なんと!そんな解釈は
私の長年のジャズ指導歴(50年以上)で
初めての衝撃だった。

「え!そんな使い方があるのか!」

(続く)


terusannoyume at 23:55|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 

2020年10月02日

コピー譜分析レッスン

最近のレッスンは、
オンラインでのレッスンが多くなった。

個人レッスンなので生徒によって内容は違う。

何人かの生徒はアドリブ・コピー譜の分析をしている。

例えばビル・エヴァンスのコピー譜を
1音1音何をやっているのかを分析していく。

アドリブは感覚で弾いていると思っている人が
いると思うけれど、実際はちゃんと考えて弾いている。

分析をしていくと理論的に説明が出来る。

ジャズ理論書に書いてあることを、
どのように応用して弾いているのか?

それが分かってすごく勉強になる。


terusannoyume at 23:58|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 | 「ビル・エヴァンス」研究

2020年10月01日

勉強の季節がやって来た

みんな元気かな?

テル先生も元気ですよ。

今日から10月になりましたね。
涼しくなって来たので、
勉強や練習に集中出来る季節です。

あなたは昨日も自分の研究テーマ
を追求していたと思いますが、
今日からさらに成長出来るように
楽しんで上達していきましょう。

テル先生の最近の勉強は、
(ブログに書いた)ヒメノの分析と、
もう一つありました。
それはブログには書かなかったのですが、
日本和声の研究です。
陽旋法、陰旋法の曲に和音を付ける時、
西洋音楽のコードを付けるのではなく
日本旋法独自の和声があるのです。 

さて、本日からお互いに頑張りましょう!


terusannoyume at 23:33|PermalinkComments(0) コード進行の勉強 | テクニック向上を目指して
プロフィール
坂元輝(さかもと・てる)
「渡辺貞夫リハーサル・オーケストラ」で、プロ入り(21歳)。
22歳、自己のピアノ・トリオでもライヴ・ハウスで活動開始。
23歳、「ブルー・アランフェス」テリー・ハーマン・トリオ(日本コロムビア)
以後19枚のアルバム発売(現在廃盤)。
28歳、ジャズ・ピアノ教則本「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ/VOL.1」
以後14冊(音楽之友社)現在絶版。
ネットで高値で取引されている?
(うそ!きっと安いよ)
他に、2冊(中央アート出版社)。
音楽指導歴40年。
プロから趣味の人まで対象に東京、京都にて指導を続けている。
Archives
カプースチン・ピアノ曲集